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鹿児島大学/2007年度/前期

鹿児島大学 2007年 数学 第2問解答・解説

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1問題

鹿児島大学2007年度第2問

次の各問いに答えよ。

(1) 微分可能な2つの関数 f(x),g(x)f(x),g(x) の積 f(x)g(x)f(x)g(x) の導関数を定義に従って求めよ。

(2) aa を実数とするとき、関数 y=(1+x2)ay=(1+x^{2})^{a} の導関数を求めよ。

(3) 関数 y=x1+x2\displaystyle y=\frac{x}{\sqrt{1+x^{2}}} の増減、グラフの凹凸、漸近線を調べ、グラフの概形をかけ。

(4) nn が正の整数であるとき、次の不等式が成り立つことを示せ。 1+n2−1<12+25+310+⋯+n1+n2.\displaystyle \sqrt{1+n^{2}}-1< \frac{1}{\sqrt{2}}+\frac{2}{\sqrt{5}}+\frac{3}{\sqrt{10}}+\cdots+\frac{n}{\sqrt{1+n^{2}}}.

まずは自分で解いてみましょう。詰まったら「考え方」、解けたら「答え」で確かめられます。

2答え

答えを見る自分の答えと照らし合わせる
  • (1) (fg)′=f′g+fg′(fg)'=f'g+fg'。 (2) y′=2ax(1+x2)a−1y'=2ax(1+x^2)^{a-1}。 (3) y′=1(1+x2)3/2>0\displaystyle y'=\frac{1}{(1+x^2)^{3/2}}>0、y′′=−3x(1+x2)5/2\displaystyle y''=-\frac{3x}{(1+x^2)^{5/2}}、水平漸近線y=1, y=−1y=1,\ y=-1、原点が変曲点。 (4) 各差分をk1+k2\displaystyle \frac{k}{\sqrt{1+k^2}}で上から抑えて望遠和をとる。

3解答

解答を見る途中式つきの解答

(1) hh を 00 でない実数とする。差商を積の差に分けると f(x+h)g(x+h)−f(x)g(x)h=g(x)f(x+h)−f(x)h+f(x)g(x+h)−g(x)h+f(x+h)−f(x)h(g(x+h)−g(x)).\displaystyle \begin{aligned} \frac{f(x+h)g(x+h)-f(x)g(x)}h &=g(x)\frac{f(x+h)-f(x)}h\\ &\quad+f(x)\frac{g(x+h)-g(x)}h\\ &\quad+\frac{f(x+h)-f(x)}h\bigl(g(x+h)-g(x)\bigr). \end{aligned} h→0h\to0 とすると第1、第2項はそれぞれ g(x)f′(x)g(x)f'(x)、f(x)g′(x)f(x)g'(x) に収束し、第3項は f′(x)⋅0=0f'(x)\cdot0=0 に収束する。従って (fg)′=f′g+fg′(fg)'=f'g+fg'。

(2) y=(1+x2)a=exp⁡(alog⁡(1+x2))y=(1+x^2)^a=\exp\bigl(a\log(1+x^2)\bigr) と表すと、連鎖律より y′=a(1+x2)a−1 2x=2ax(1+x2)a−1.y'=a(1+x^2)^{a-1}\,2x=2ax(1+x^2)^{a-1}.

(3) y=x(1+x2)−1/2y=x(1+x^2)^{-1/2} として微分すると y′=(1+x2)−1/2−x2(1+x2)−3/2=1(1+x2)3/2>0,y′′=−3x(1+x2)5/2.\displaystyle y'=(1+x^2)^{-1/2}-x^2(1+x^2)^{-3/2}=\frac1{(1+x^2)^{3/2}}>0, \qquad y''=-\frac{3x}{(1+x^2)^{5/2}}. よって全実数で単調増加し、x<0x<0 では下に凸(y′′>0y''>0)、x>0x>0 では上に凸(y′′<0y''<0)、原点が変曲点である。また lim⁡x→+∞y=1,lim⁡x→−∞y=−1.\displaystyle \lim\limits _{x\to+\infty}y=1,\qquad \lim\limits _{x\to-\infty}y=-1. 従って水平漸近線は y=1y=1 と y=−1y=-1。関数は奇関数で原点を通り、単調に増加しながら両漸近線に近づく形である。

(4) k=1,2,…,nk=1,2,\ldots,n に対し Δk=1+k2−1+(k−1)2=2k−11+k2+1+(k−1)2.\displaystyle \Delta_k=\sqrt{1+k^2}-\sqrt{1+(k-1)^2} =\frac{2k-1}{\sqrt{1+k^2}+\sqrt{1+(k-1)^2}}.

k1+k2−Δk=kA−2k−1A+B,A=1+k2, B=1+(k−1)2.\displaystyle \frac{k}{\sqrt{1+k^2}}-\Delta_k =\frac{k}{A}-\frac{2k-1}{A+B},\quad A=\sqrt{1+k^2},\ B=\sqrt{1+(k-1)^2}. 右辺が正であることは kB>(k−1)AkB>(k-1)A と同値であり、両辺は非負で k2B2−(k−1)2A2=2k−1>0k^2B^2-(k-1)^2A^2=2k-1>0 だから確かに成り立つ。従って Δk<k1+k2\displaystyle \Delta_k<\dfrac{k}{\sqrt{1+k^2}}。これを k=1k=1 から nn まで加えると左辺は望遠和となり、 1+n2−1=∑k=1nΔk<∑k=1nk1+k2,\displaystyle \sqrt{1+n^2}-1=\sum\limits _{k=1}^n\Delta_k<\sum\limits _{k=1}^n\frac{k}{\sqrt{1+k^2}}, 与えられた不等式を得る。

(1) hh を 00 でない実数とする。差商を積の差に分けると f(x+h)g(x+h)−f(x)g(x)h=g(x)f(x+h)−f(x)h+f(x)g(x+h)−g(x)h+f(x+h)−f(x)h(g(x+h)−g(x)).\displaystyle \frac{f(x+h)g(x+h)-f(x)g(x)}h=g(x)\frac{f(x+h)-f(x)}h+f(x)\frac{g(x+h)-g(x)}h+\frac{f(x+h)-f(x)}h\bigl(g(x+h)-g(x)\bigr). h→0h\to0 とすると第1、第2項はそれぞれ g(x)f′(x)g(x)f'(x)、f(x)g′(x)f(x)g'(x) に収束し、第3項は f′(x)⋅0=0f'(x)\cdot0=0 に収束する。従って (fg)′=f′g+fg′(fg)'=f'g+fg'。

(2) y=(1+x2)a=exp⁡(alog⁡(1+x2))y=(1+x^2)^a=\exp\bigl(a\log(1+x^2)\bigr) と表すと、連鎖律より y′=a(1+x2)a−1 2x=2ax(1+x2)a−1.y'=a(1+x^2)^{a-1}\,2x=2ax(1+x^2)^{a-1}.

(3) y=x(1+x2)−1/2y=x(1+x^2)^{-1/2} として微分すると y′=(1+x2)−1/2−x2(1+x2)−3/2=1(1+x2)3/2>0,y′′=−3x(1+x2)5/2.\displaystyle y'=(1+x^2)^{-1/2}-x^2(1+x^2)^{-3/2}=\frac1{(1+x^2)^{3/2}}>0, \qquad y''=-\frac{3x}{(1+x^2)^{5/2}}. よって全実数で単調増加し、x<0x<0 では下に凸(y′′>0y''>0)、x>0x>0 では上に凸(y′′<0y''<0)、原点が変曲点である。また lim⁡x→+∞y=1,lim⁡x→−∞y=−1.\displaystyle \lim\limits _{x\to+\infty}y=1,\qquad \lim\limits _{x\to-\infty}y=-1. 従って水平漸近線は y=1y=1 と y=−1y=-1。関数は奇関数で原点を通り、単調に増加しながら両漸近線に近づく形である。

(4) k=1,2,…,nk=1,2,\ldots,n に対し Δk=1+k2−1+(k−1)2=2k−11+k2+1+(k−1)2.\displaystyle \Delta_k=\sqrt{1+k^2}-\sqrt{1+(k-1)^2} =\frac{2k-1}{\sqrt{1+k^2}+\sqrt{1+(k-1)^2}}.

k1+k2−Δk=kA−2k−1A+B,A=1+k2, B=1+(k−1)2.\displaystyle \frac{k}{\sqrt{1+k^2}}-\Delta_k =\frac{k}{A}-\frac{2k-1}{A+B},\quad A=\sqrt{1+k^2},\ B=\sqrt{1+(k-1)^2}. 右辺が正であることは kB>(k−1)AkB>(k-1)A と同値であり、両辺は非負で k2B2−(k−1)2A2=2k−1>0k^2B^2-(k-1)^2A^2=2k-1>0 だから確かに成り立つ。従って Δk<k1+k2\displaystyle \Delta_k<\dfrac{k}{\sqrt{1+k^2}}。これを k=1k=1 から nn まで加えると左辺は望遠和となり、 1+n2−1=∑k=1nΔk<∑k=1nk1+k2,\displaystyle \sqrt{1+n^2}-1=\sum\limits _{k=1}^n\Delta_k<\sum\limits _{k=1}^n\frac{k}{\sqrt{1+k^2}}, 与えられた不等式を得る。

この問題で使う考え方

  • 定義による微分
  • 連鎖律
  • 増減・凹凸
  • 望遠和
  • 平方比較

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