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鹿児島大学/2013年度/前期

鹿児島大学 2013年 数学 第5問解答・解説

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1問題

鹿児島大学2013年度第5問

次の4問のうちから1問を選択して解答せよ。解答する問題の番号を解答用紙の所定の欄に記入すること。

5-1 2次の正方行列 A=(abcd)A=\begin{pmatrix}a&b\\c&d\end{pmatrix} に対して、Δ(A)=ad−bc\Delta(A)=ad-bc とおく。たとえば単位行列 E=(1001)E=\begin{pmatrix}1&0\\0&1\end{pmatrix} に対しては Δ(E)=1×1−0×0=1\Delta(E)=1\times1-0\times0=1 となる。また K=(2357)K=\begin{pmatrix}2&3\\5&7\end{pmatrix} に対しては Δ(K)=2×7−3×5=−1\Delta(K)=2\times7-3\times5=-1 となる。次の各問いに答えよ。

(1) P=(0123)P=\begin{pmatrix}0&1\\2&3\end{pmatrix}、Q=(1234)Q=\begin{pmatrix}1&2\\3&4\end{pmatrix} に対して R=PQR=PQ とおく。Δ(P)\Delta(P)、Δ(Q)\Delta(Q)、Δ(R)\Delta(R) を計算し、Δ(R)=Δ(P)Δ(Q)\Delta(R)=\Delta(P)\Delta(Q) が成り立つことを確かめよ。

(2) すべての2次の正方行列 A,BA,B に対して、C=ABC=AB とおくと Δ(C)=Δ(A)Δ(B)\Delta(C)=\Delta(A)\Delta(B) が成り立つことを示せ。

(3) X2=(0110)X^2=\begin{pmatrix}0&1\\1&0\end{pmatrix} となる2次の正方行列 XX で、すべての成分が実数であるようなものは存在しないことを示せ。

(4) 2次の正方行列 AA に逆行列 BB が存在したとする。AA と BB の成分がすべて整数ならば、Δ(A)\Delta(A) は1か-1のどちらかである。このことを示せ。

5-2 xyxy 平面において、点 F(p,0)F(p,0) と yy 軸から等距離にある点の軌跡を CC とする。ただし p>0p>0 とする。次の各問いに答えよ。

(1) CC を表す方程式を求めよ。

(2) CC 上の点 P(x0,y0)P(x_0,y_0) における CC の接線 ll の方程式を求めよ。ただし y0≠0y_0\ne0 とする。

(3) (2)の ll と xx 軸の交点を QQ とするとき、FP=FQFP=FQ であることを証明せよ。

5-3 0,1,2,3,40,1,2,3,4 の数字が1つずつ記入された5枚のカードがある。この5枚のカードの中から1枚引き、数字を記録して戻すという作業を3回繰り返す。ただし、3回ともどのカードを引く確率も等しいとする。記録した3つの数字の最小値を XX とするとき、次の各問いに答えよ。

(1) k=0,1,2,3,4k=0,1,2,3,4 に対して確率 P(X≧k)P(X\ge k) を求めよ。

(2) 確率変数 XX の確率分布を表で表せ。

(3) 確率変数 XX の平均(期待値)E(X)E(X) を求めよ。

(4) 確率変数 XX の分散 V(X)V(X) を求めよ。

5-4 確率変数 XX のとる値の範囲が 0≦X≦20\le X\le2 で、その確率密度関数 f(x)f(x) が次の式で与えられるものとする。 f(x)={kax(0≦x≦a),k2−a(2−x)(a<x≦2).\displaystyle f(x)= \begin{cases} \dfrac{k}{a}x & (0\le x\le a),\\[3pt] \dfrac{k}{2-a}(2-x) & (a<x\le2). \end{cases} ここで、a,ka,k は 0<a<10<a<1、k>0k>0 を満たす定数である。次の各問いに答えよ。

(1) 定数 kk の値を求めよ。

(2) XX の平均(期待値)E(X)E(X) を aa を用いて表せ。

(3) P(X≦u)=0.5P(X\le u)=0.5 となる実数 uu を aa を用いて表せ。

まずは自分で解いてみましょう。詰まったら「考え方」、解けたら「答え」で確かめられます。

2答え

答えを見る自分の答えと照らし合わせる
  • 5-1(1)
    Δ(P)=−2,Δ(Q)=−2,R=[[3,4],[11,16]],Δ(R)=4Δ(P)=−2, Δ(Q)=−2, R=[[3,4],[11,16]], Δ(R)=4
  • 5-1(2)
    Δ(AB)=Δ(A)Δ(B)Δ(AB)=Δ(A)Δ(B)
  • 5-1(3)
    実成分Xは存在しない
  • 5-1(4)
    Δ(A)=±1Δ(A)=±1
  • 5-2(1)
    y2=2px−p2y^2=2px-p^2
  • 5-2(2)
    y−y0=py0(x−x0)\displaystyle y-y_0=\frac{p}{y_0}(x-x_0)
  • 5-2(3)
    FP=FQFP=FQ
  • 5-3(1)
    P(X≧k)=(1,64/125,27/125,8/125,1/125),k=0,…,4P(X≥k)=(1,64/125,27/125,8/125,1/125), k=0,…,4
  • 5-3(2)
    P(X=0,1,2,3,4)=(61,37,19,7,1)/125P(X=0,1,2,3,4)=(61,37,19,7,1)/125
  • 5-3(3)
    E(X)=4/5E(X)=4/5
  • 5-3(4)
    V(X)=112/125V(X)=112/125
  • 5-4(1)
    k=1k=1
  • 5-4(2)
    E(X)=(a+2)/3E(X)=(a+2)/3
  • 5-4(3)
    u=2−√(2−a)

3解答

解答を見る途中式つきの解答

5-1. Δ(abcd)=ad−bc\Delta\begin{pmatrix}a&b\\c&d\end{pmatrix}=ad-bc とする。 (1) 定義から Δ(P)=−2, Δ(Q)=−2\Delta(P)=-2,\ \Delta(Q)=-2。積を計算すると R=PQ=(341116),Δ(R)=48−44=4=Δ(P)Δ(Q).R=PQ=\begin{pmatrix}3&4\\11&16\end{pmatrix},\qquad \Delta(R)=48-44=4=\Delta(P)\Delta(Q). (2) A=(abcd)A=\begin{pmatrix}a&b\\c&d\end{pmatrix}、B=(efgh)B=\begin{pmatrix}e&f\\g&h\end{pmatrix} とおく。直接展開して Δ(AB)=(ae+bg)(cf+dh)−(af+bh)(ce+dg)=(ad−bc)(eh−fg)=Δ(A)Δ(B).\begin{aligned} \Delta(AB)&=(ae+bg)(cf+dh)-(af+bh)(ce+dg)\\ &=(ad-bc)(eh-fg)=\Delta(A)\Delta(B). \end{aligned} (3) 実成分のXが X2=(0110)X^2=\begin{pmatrix}0&1\\1&0\end{pmatrix} を満たすなら、(2)から Δ(X)2=−1\Delta(X)^2=-1。実数の平方は負にならないので、そのようなXは存在しない。 (4) AB=EAB=E なら Δ(A)Δ(B)=Δ(E)=1\Delta(A)\Delta(B)=\Delta(E)=1。A,Bの成分が整数なので行列式も整数である。整数どうしの積が1だから Δ(A)=1\Delta(A)=1 または −1-1。

5-2. 点 (x,y)(x,y) が焦点 F(p,0)F(p,0) とy軸から等距離である条件は (x−p)2+y2=x2,(x-p)^2+y^2=x^2, 従って軌跡は y2=2px−p2y^2=2px-p^2。 (2) P(x0,y0)P(x_0,y_0) 上で y0≠0y_0\neq0 のとき、曲線を微分して接線を求めると y−y0=py0(x−x0),x0=y02+p22p.\displaystyle y-y_0=\frac{p}{y_0}(x-x_0),\qquad x_0=\frac{y_0^2+p^2}{2p}. この接線とx軸の交点を Q=(xQ,0)Q=(x_Q,0) とすると xQ=p2−y022p.\displaystyle x_Q=\frac{p^2-y_0^2}{2p}. 従って FP2=(x0−p)2+y02=(p2+y02)24p2=FQ2.\displaystyle FP^2=(x_0-p)^2+y_0^2 =\frac{(p^2+y_0^2)^2}{4p^2} =FQ^2. FP,FQは距離なので FP=FQFP=FQ。

5-3. 3回の復元抽出の最小値をXとする。k=0,1,2,3,4k=0,1,2,3,4 について P(X≧k)=(5−k5)3\displaystyle P(X\geq k)=\left(\frac{5-k}{5}\right)^3 であり、値は順に 1,64/125,27/125,8/125,1/1251,64/125,27/125,8/125,1/125。差を取ると P(X=0,1,2,3,4)=1125(61,37,19,7,1).\displaystyle P(X=0,1,2,3,4)=\frac1{125}(61,37,19,7,1). 尾確率和を使うと E(X)=∑k=14P(X≧k)=45.\displaystyle E(X)=\sum\limits _{k=1}^4P(X\geq k)=\frac45. また E(X2)=37+4⋅19+9⋅7+16125=192125,V(X)=E(X2)−E(X)2=112125.\displaystyle E(X^2)=\frac{37+4\cdot19+9\cdot7+16}{125}=\frac{192}{125}, \qquad V(X)=E(X^2)-E(X)^2=\frac{112}{125}.

5-4. 密度の積分が1となる条件から k(∫0axa dx+∫a22−x2−a dx)=k=1.\displaystyle k\left(\int_0^a\frac{x}{a}\,dx+\int_a^2\frac{2-x}{2-a}\,dx\right)=k=1. 平均は E(X)=∫0ax2a dx+∫a2x(2−x)2−a dx=a23+(2−a)(a+1)3=a+23.\displaystyle E(X)=\int_0^a\frac{x^2}{a}\,dx+\int_a^2\frac{x(2-x)}{2-a}\,dx =\frac{a^2}{3}+\frac{(2-a)(a+1)}3=\frac{a+2}{3}. 従って旧解答の 2/32/3 は誤りである。F(a)=a/2<1/2F(a)=a/2<1/2 より中央値uは u>au>a。さらに P(X>u)=∫u22−x2−a dx=(2−u)22(2−a)=12.\displaystyle P(X>u)=\int_u^2\frac{2-x}{2-a}\,dx =\frac{(2-u)^2}{2(2-a)}=\frac12. u<2u<2 を選ぶと u=2−2−a.u=2-\sqrt{2-a}.

5-1では積公式を成分展開で確認し、整数の逆行列条件に適用。5-2ではp>0p>0、y0≠0y_0\ne0により傾きが定義され、平方距離の一致から正の距離の一致へ移る。5-3では尾確率・差分分布・一次二次モーメントを再計算。5-4では正規化k=1k=1、平均の二つの積分を評価して旧23\displaystyle \frac23の誤りを修正。累積面積F(a)=a2<12\displaystyle F(a)=\frac a2<\frac12から中央値の枝を選択。

この問題で使う考え方

  • 行列式の直接計算
  • 距離の二乗比較
  • 暗黙曲線の接線
  • 最小値の尾確率
  • 期待値の積分
  • 累積分布と中央値

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