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神戸大学/2008年度/前期

神戸大学 2008年 数学 第5問解答・解説

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1問題

神戸大学2008年度第5問

n,kn,k を自然数とする。このとき,次の問に答えよ。(配点30点)

(1) (1+x)n(1+x)^n の展開式を用いて,次の等式を示せ。 2n=(n0)+(n1)+(n2)+(n3)+⋯+(nn),0=(n0)−(n1)+(n2)−(n3)+⋯+(−1)n(nn).\displaystyle \begin{aligned} 2^n &= \binom{n}{0}+\binom{n}{1}+\binom{n}{2}+\binom{n}{3}+\cdots+\binom{n}{n},\\ 0 &= \binom{n}{0}-\binom{n}{1}+\binom{n}{2}-\binom{n}{3}+\cdots+(-1)^n\binom{n}{n}. \end{aligned}

(2) (0110)k\begin{pmatrix}0&1\\1&0\end{pmatrix}^{k} を求めよ。

(3) 2次の正方行列 M1,M2,M3,…,MnM_1,M_2,M_3,\ldots,M_n は,それぞれが 13\displaystyle \frac{1}{3} の確率で, (1001),(0110),(0000)\begin{pmatrix}1&0\\0&1\end{pmatrix},\quad \begin{pmatrix}0&1\\1&0\end{pmatrix},\quad \begin{pmatrix}0&0\\0&0\end{pmatrix} のいずれかになるとする。nn 個の行列の積 M1M2M3⋯MnM_1M_2M_3\cdots M_n が (1001)\begin{pmatrix}1&0\\0&1\end{pmatrix} と等しくなる確率を求めよ。

まずは自分で解いてみましょう。詰まったら「考え方」、解けたら「答え」で確かめられます。

2答え

答えを見る自分の答えと照らし合わせる
  • (1)
    二項定理でx=1x=1と置くと第1式、x=−1x=−1と置くと第2式。
  • (2)
    kが偶数ならI、奇数ならS。
  • (3)
    MiM_iが互いに独立という追加条件の下では2n−13n\displaystyle \frac{2^{n-1}}{3^n}。原文に独立性がないため原文だけでは一意に決まらずCONDITIONAL。

3解答

解答を見る途中式つきの解答

(1) 二項定理から (1+x)n=∑j=0n(nj)xj\displaystyle (1+x)^n=\sum\limits _{j=0}^{n}\binom{n}{j}x^j です。x=1x=1を代入すれば 2n=∑j=0n(nj)\displaystyle 2^n=\sum\limits _{j=0}^{n}\binom{n}{j}。x=−1x=-1を代入すれば (1−1)n=0(1-1)^n=0(nnは自然数)で、0=∑j=0n(−1)j(nj)\displaystyle 0=\sum\limits _{j=0}^{n}(-1)^j\binom{n}{j}を得ます。

(2) S=(0110)S=\begin{pmatrix}0&1\\1&0\end{pmatrix} とおくと、基本の行列積で S2=IS^2=I です。よって kkが偶数なら Sk=IS^k=I、奇数なら Sk=SS^k=S です。

(3) 原本には各 MiM_i の周辺確率が書かれていますが、M1,…,MnM_1,\ldots,M_nを独立に選ぶとは明記されていません。周辺確率だけでは積が II となる確率は一意に決まりません。独立に選ぶ追加条件を置くと、零行列が一つでもあれば積は零行列です。零行列がなく、SSを選ぶ回数jjが偶数なら積は II です。具体的な列の確率は (1/3)n(1/3)^n で、条件を満たす列の数は ∑j 偶数(nj)=2n−1\displaystyle \sum\limits _{j\text{ 偶数}}\binom nj=2^{n-1}(n≧1n\ge1)です。したがって独立選択時は 2n−1/3n2^{n-1}/3^n です。

独立性がないと値が変わり得ることも確認します。すべての ii で Mi=ZM_i=Z とし、ZZ が I,S,OI,S,O を各 1/31/3 でとるようにすれば、各 MiM_i の周辺確率は原文どおりです。このとき nn が偶数なら積が II となる確率は 2/32/3、nn が奇数なら 1/31/3 です。よって原文の条件だけでは答えが決まりません。

この問題で使う考え方

  • x=1,−1の代入
  • S²=Iによる偶奇の場合分け
  • 偶数項の二項係数の和
  • 周辺確率と独立性の区別

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