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神戸大学/2009年度/前期

神戸大学 2009年 数学 第4問解答・解説

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1問題

神戸大学2009年度第4問

大小2つのサイコロを同時に1回投げて、大きいサイコロの出た目の数 AA、および小さいサイコロの出た目の数 BB に応じて得点を競うゲームを考える。ただし、このゲームには6種類の得点 XnX_n(1≦n≦61\leq n\leq 6)があって、それぞれ、次の規則で定められているとする。 Xn={A(A≧nのとき)B(A<nかつ A≠Bのとき)aA+b(A<nかつ A=Bのとき)X_n=\begin{cases} A & (A\geq n\text{のとき})\\ B & (A<n\text{かつ }A\neq B\text{のとき})\\ aA+b & (A<n\text{かつ }A=B\text{のとき}) \end{cases} ここで、a,ba,b は実数の定数である。また、得点 XnX_n の期待値を EnE_n とする。このとき、以下の問に答えよ。(配点30点)

(1) A,BA,B のとり得る値に対する得点 X3X_3 および X4X_4 の値を、答案用紙の表にそれぞれ記入せよ。

(2) E4−E3E_4-E_3 を求めよ。

(3) E1=E2=⋯=E6E_1=E_2=\cdots=E_6 となるような a,ba,b はあるか。あれば求め、なければそのことを示せ。

まずは自分で解いてみましょう。詰まったら「考え方」、解けたら「答え」で確かめられます。

2考え方

考え方を見る解き方の方針だけを確かめる

36個の等確率な順序付き結果を用い、X3・X4の表を作成する。期待値の差は規則が変わるAの行だけで計算し、すべての隣接差が0になる条件を求める。

3答え

答えを見る自分の答えと照らし合わせる
  • (1) X3=X3A\B1234561a+b23456212a+b34563333333444444455555556666666,X4=X4A\B1234561a+b23456212a+b34563123a+b456444444455555556666666(1)\space{}X_3=\begin{array}{c|rrrrrr}&&&X_3&&&\\ A\backslash B&1&2&3&4&5&6\\\hline 1&a+b&2&3&4&5&6\\2&1&2a+b&3&4&5&6\\3&3&3&3&3&3&3\\4&4&4&4&4&4&4\\5&5&5&5&5&5&5\\6&6&6&6&6&6&6\end{array},\quad X_4=\begin{array}{c|rrrrrr}&&&X_4&&&\\ A\backslash B&1&2&3&4&5&6\\\hline 1&a+b&2&3&4&5&6\\2&1&2a+b&3&4&5&6\\3&1&2&3a+b&4&5&6\\4&4&4&4&4&4&4\\5&5&5&5&5&5&5\\6&6&6&6&6&6&6\end{array}
    (2) E4−E3=3a+b36\displaystyle (2)\space{}E_4-E_3=\frac{3a+b}{36}
    (3) (a,b)=(7,−21)(3)\space{}(a,b)=(7,-21)

4解答

解答を見る途中式つきの解答

大小のサイコロの結果 (A,B)(A,B) は 6×6=366\times6=36 通りあり、いずれも同様に確からしい。

(1) 行を A=1,2,…,6A=1,2,\ldots,6、列を B=1,2,…,6B=1,2,\ldots,6 の順とする。規則に従って各値を入れると、次の表を得る。 X3A\B1234561a+b23456212a+b34563333333444444455555556666666X4A\B1234561a+b23456212a+b34563123a+b456444444455555556666666\begin{gathered}X_3\\ \begin{array}{c|rrrrrr} A\backslash B&1&2&3&4&5&6\\\hline 1&a+b&2&3&4&5&6\\ 2&1&2a+b&3&4&5&6\\ 3&3&3&3&3&3&3\\ 4&4&4&4&4&4&4\\ 5&5&5&5&5&5&5\\ 6&6&6&6&6&6&6 \end{array}\end{gathered} \qquad \begin{gathered}X_4\\ \begin{array}{c|rrrrrr} A\backslash B&1&2&3&4&5&6\\\hline 1&a+b&2&3&4&5&6\\ 2&1&2a+b&3&4&5&6\\ 3&1&2&3a+b&4&5&6\\ 4&4&4&4&4&4&4\\ 5&5&5&5&5&5&5\\ 6&6&6&6&6&6&6 \end{array}\end{gathered}

(2) X4−X3X_4-X_3 が0でない可能性があるのは A=3A=3 の場合だけである。このとき、B=1,2,3,4,5,6B=1,2,3,4,5,6 に対する差は順に −2,−1,3a+b−3,1,2,3-2,-1,3a+b-3,1,2,3 となる。36通りを等確率で平均すると E4−E3=−2−1+(3a+b−3)+1+2+336=3a+b36.\displaystyle E_4-E_3=\frac{-2-1+(3a+b-3)+1+2+3}{36}=\frac{3a+b}{36}.

(3) n=1,2,…,5n=1,2,\ldots,5 とする。A<nA<n なら Xn,Xn+1X_n,X_{n+1} は同じ規則で定まり、A≧n+1A\ge n+1 ならどちらも AA である。したがって期待値の差に寄与するのは A=nA=n の場合だけである。この場合、B≠nB\ne n なら差は B−nB-n、B=nB=n なら差は an+b−nan+b-n だから 36(En+1−En)=∑B=16(B−n)+(an+b−n)=21−6n+an+b−n=(a−7)n+b+21.\displaystyle 36(E_{n+1}-E_n)=\sum\limits _{B=1}^{6}(B-n)+(an+b-n) =21-6n+an+b-n =(a-7)n+b+21. よって E1=E2=⋯=E6E_1=E_2=\cdots=E_6 となるには、この値が n=1,2,…,5n=1,2,\ldots,5 のすべてで0でなければならない。特に n=1,2n=1,2 の式を引くと a=7a=7、これを代入して b=−21b=-21 を得る。この組ではすべての nn について差が0となるので、条件を満たす。さらに a=7,b=−21a=7,b=-21 のとき、固定した A<nA<n に対して BB 全体の得点合計は (1+2+3+4+5+6)−A+(7A−21)=6A(1+2+3+4+5+6)-A+(7A-21)=6A であり、A≧nA\ge n の場合も合計は 6A6A である。したがって各 nn の期待値は 6(1+2+3+4+5+6)/36=7/26(1+2+3+4+5+6)/36=7/2 と一致する。結論は a=7, b=−21a=7,\ b=-21。

この問題で使う考え方

  • 積の法則
  • 期待値
  • 確率の基本法則

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