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京都大学/2007年度

京都大学 2007年 数学 第5問解答・解説

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1問題

京都大学2007年度第5問

Aを2次の正方行列とする。列ベクトル x⃗0\vec{x}_0 に対し、列ベクトル x⃗1,x⃗2,⋯\vec{x}_1, \vec{x}_2, \cdots を x⃗n+1=Ax⃗n(n=0,1,2,...)\vec{x}_{n+1}=A\vec{x}_n\quad(n=0, 1, 2, ...) によって定める。ある零ベクトルではない x⃗0\vec{x}_0 について、3以上の自然数 mm で初めて x⃗m\vec{x}_m が x⃗0\vec{x}_0 と一致するとき、行列 AmA^m は単位行列であることを示せ。

まずは自分で解いてみましょう。詰まったら「考え方」、解けたら「答え」で確かめられます。

2考え方

考え方を見る解き方の方針だけを確かめる

軌道が1次元では周期1か2に限られることを示し、独立な2本のベクトルを固定する事実から行列を確定する。

3答え

答えを見る自分の答えと照らし合わせる
  • Am=I2A^m=I_2

4解答

解答を見る途中式つきの解答

すべての列ベクトルを 実数を成分にもつ2次元の列ベクトルとする。まず x⃗0\vec{x}_0 と x⃗1=Ax⃗0\vec{x}_1=A\vec{x}_0 が一次独立であることを示す。もし従属なら、x⃗0≠0⃗\vec{x}_0\neq\vec0 より x⃗1=cx⃗0\vec{x}_1=c\vec{x}_0 となる実数 cc がある。このとき漸化式を繰り返すと x⃗m=cmx⃗0\vec{x}_m=c^m\vec{x}_0 である。仮定 x⃗m=x⃗0\vec{x}_m=\vec{x}_0 から cm=1c^m=1 を得る。実数 cc で cm=1c^m=1 を満たすのは c=1c=1 または c=−1c=-1 に限られる。前者なら x⃗1=x⃗0\vec{x}_1=\vec{x}_0 となって最初の一致は 11、後者なら x⃗2=x⃗0\vec{x}_2=\vec{x}_0 となって最初の一致は 22 である。いずれも m≧3m\geq3 に反する。したがって x⃗0,x⃗1\vec{x}_0,\vec{x}_1 は一次独立であり、すべての実成分の2次元列ベクトルを、この2本の実数倍の和で表せる。

ここで Amx⃗0=x⃗m=x⃗0A^m\vec{x}_0=\vec{x}_m=\vec{x}_0 である。また行列積の結合法則から Amx⃗1=Am(Ax⃗0)=A(Amx⃗0)=Ax⃗0=x⃗1.A^m\vec{x}_1=A^m(A\vec{x}_0) =A(A^m\vec{x}_0)=A\vec{x}_0=\vec{x}_1. よって AmA^m は2本のベクトル x⃗0,x⃗1\vec{x}_0,\vec{x}_1をそれぞれ固定する。任意の実成分の2次元列ベクトルはこの2本の実数倍の和だから、AmA^m は すべての実成分の2次元列ベクトルを固定し、したがって Am=I2A^m=I_2 である。

この問題で使う考え方

  • 行列を用いた表現

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