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九州大学/2009年度/前期

九州大学 2009年 数学 第4問解答・解説

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1問題

九州大学2009年度第4問配点 50点

この問題の解答は、解答紙16の定められた場所に記入しなさい。

[問題]2次の列ベクトル X,Y,ZX,Y,Z は大きさが1であり、X=(10)X=\begin{pmatrix}1\\0\end{pmatrix} かつ Y≠XY\neq X とする。ただし、一般に2次の列ベクトル (xy)\begin{pmatrix}x\\y\end{pmatrix} の大きさは x2+y2\sqrt{x^{2}+y^{2}} で定義される。また、2次の正方行列 AA が AX=Y,AY=Z,AZ=XAX=Y,\quad AY=Z,\quad AZ=X をみたすとする。このとき、次の問いに答えよ。

(1) Y≠−XY\neq -X を示せ。

(2) ZZ は Z=sX+tYZ=sX+tY(s,ts,t は実数)の形にただ一通りに表せることを示せ。

(3) X+Y+Z=(00)X+Y+Z=\begin{pmatrix}0\\0\end{pmatrix} を示せ。

(4) 行列 AA を求めよ。

まずは自分で解いてみましょう。詰まったら「考え方」、解けたら「答え」で確かめられます。

2答え

答えを見る自分の答えと照らし合わせる
  • (1) Y≠−X。 (2) 任意のZはZ=sX+tYZ=sX+tY(s,t∈R)とただ一通りに表せる。 (3)X+Y+Z=(0,0)T(3) X+Y+Z=(0,0)^T。 (4) Aは原点中心の±120°回転を表す次の2行列。
  • (1) Y≠−X.\space{}Y\ne-X.\quad(2) Z=sX+tY\space{}Z=sX+tY と一意に表せる..\quad(3) X+Y+Z=(00).\space{}X+Y+Z=\begin{pmatrix}0\\0\end{pmatrix}.\quad(4) A=(−12−3232−12)\displaystyle \space{}A=\begin{pmatrix}-\frac12&-\frac{\sqrt3}{2}\\\frac{\sqrt3}{2}&-\frac12\end{pmatrix} または (−1232−32−12).\displaystyle \begin{pmatrix}-\frac12&\frac{\sqrt3}{2}\\-\frac{\sqrt3}{2}&-\frac12\end{pmatrix}.

3解答

解答を見る途中式つきの解答

X=(1,0)TX=(1,0)^{\mathsf T} とおき、Y=(u,v)TY=(u,v)^{\mathsf T} とする。

(1) Y=−XY=-X と仮定すると、AX=−XAX=-X であり、AY=ZAY=Z から Z=A(−X)=−AX=XZ=A(-X)=-AX=X となる。さらに AZ=XAZ=X と Z=XZ=X から AX=XAX=X を得る。よって X=−XX=-X、すなわち X=0X=0 となるが、これは ∣X∣=1|X|=1 に反する。したがって Y≠−XY\ne-X。

(2) 仮定 Y≠XY\ne X と (1) より Y≠±XY\ne\pm X。したがって v≠0v\ne0。任意の Z=(z1,z2)TZ=(z_1,z_2)^{\mathsf T} について、Z=sX+tYZ=sX+tY は s+tu=z1,tv=z2s+tu=z_1,\qquad tv=z_2 を満たすので、 t=z2v,s=z1−uz2v\displaystyle t=\frac{z_2}{v},\qquad s=z_1-\frac{uz_2}{v} とただ一通りに定まる。

(3) Z=sX+tYZ=sX+tY に行列 AA を作用させると X=AZ=sY+tZ=sY+t(sX+tY)=(ts)X+(s+t2)Y.X=AZ=sY+tZ=sY+t(sX+tY)=(ts)X+(s+t^2)Y. X,YX,Y は一次独立だから ts=1, s+t2=0ts=1,\ s+t^2=0。従って t3=−1t^3=-1 であり、実数 tt について t=−1, s=−1t=-1,\ s=-1。よって Z=−X−YZ=-X-Y、すなわち X+Y+Z=(00).X+Y+Z=\begin{pmatrix}0\\0\end{pmatrix}.

(4) Z=−X−YZ=-X-Y と ∣X∣=∣Y∣=∣Z∣=1|X|=|Y|=|Z|=1 から 1=∣Z∣2=∣X+Y∣2=2+2X⋅Y,X⋅Y=−12.\displaystyle 1=|Z|^2=|X+Y|^2=2+2X\mathbin{\cdot}Y, \qquad X\mathbin{\cdot}Y=-\frac12. よって u=−12\displaystyle u=-\frac12、v=±32\displaystyle v=\pm\frac{\sqrt3}{2}。AX=YAX=Y が AA の第1列を定め、AY=ZAY=Z から第2列を定める。v=32\displaystyle v=\frac{\sqrt3}{2} の場合と v=−32\displaystyle v=-\frac{\sqrt3}{2} の場合をそれぞれ解くと、 A=(−12−3232−12)またはA=(−1232−32−12).\displaystyle A=\begin{pmatrix}-\frac12&-\frac{\sqrt3}{2}\\[1mm]\frac{\sqrt3}{2}&-\frac12\end{pmatrix} \quad\text{または}\quad A=\begin{pmatrix}-\frac12&\frac{\sqrt3}{2}\\[1mm]-\frac{\sqrt3}{2}&-\frac12\end{pmatrix}. 各行列に対応する Y,ZY,Z を代入すると、いずれも AX=Y, AY=Z, AZ=XAX=Y,\ AY=Z,\ AZ=X および ∣X∣=∣Y∣=∣Z∣=1|X|=|Y|=|Z|=1 を満たす。

(1)はY=-Xを仮定して矛盾を得る。(2)はX,Yの一次独立性を成分で確認する。(3)は表示の一意性による係数比較。(4)はZ=-X-Yと各ベクトルの長さからYを2通りに定め、行列の列を決めて直接検算する。

この問題で使う考え方

  • 背理法
  • 成分による一次独立性・一意表示
  • 係数比較
  • 行列とベクトルの成分計算

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