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九州大学/2012年度/前期

九州大学 2012年 数学 第4問解答・解説

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1問題

九州大学2012年度第4問

pp と qq はともに整数であるとする。2次方程式 x2+px+q=0x^{2}+px+q=0 が実数解 α,β\alpha,\beta を持ち,条件 (∣α∣−1)(∣β∣−1)≠0(|\alpha|-1)(|\beta|-1)\ne 0 をみたしているとする。このとき,数列 {an}\{a_{n}\} をan=(αn−1)(βn−1)(n=1,2,… )a_{n}=(\alpha^{n}-1)(\beta^{n}-1)\quad(n=1,2,\dots)によって定義する。以下の問いに答えよ。

(1) a1,a2,a3a_{1},a_{2},a_{3} は整数であることを示せ。

(2) (∣α∣−1)(∣β∣−1)>0(|\alpha|-1)(|\beta|-1)>0 のとき,極限値 lim⁡n→∞∣an+1an∣\displaystyle\lim\limits _{n\to\infty}\left|\frac{a_{n+1}}{a_{n}}\right| は整数であることを示せ。

(3) lim⁡n→∞∣an+1an∣=1+52\displaystyle\lim\limits _{n\to\infty}\left|\frac{a_{n+1}}{a_{n}}\right|=\frac{1+\sqrt{5}}{2} となるとき,pp と qq の値をすべて求めよ。ただし,5\sqrt{5} が無理数であることは証明なしに用いてよい。

まずは自分で解いてみましょう。詰まったら「考え方」、解けたら「答え」で確かめられます。

2答え

答えを見る自分の答えと照らし合わせる
  • (1)
    a1=p+q+1,a2=q2−p2+2q+1,a3=p3+q3−3pq+1a_1=p+q+1,\quad a_2=q^2-p^2+2q+1,\quad a_3=p^3+q^3-3pq+1\quad はすべて整数。
  • (2)
    (∣α∣−1)(∣β∣−1)>0(|\alpha|-1)(|\beta|-1)>0\quad のとき極限値は1または ∣q∣\quad |q|\quad 、従って整数。
  • (3)
    (p,q)=(−1,−1),(1,−1)(p,q)=(-1,-1),(1,-1)\quad 。

3解答

解答を見る途中式つきの解答

α+β=−p\alpha+\beta=-p、αβ=q\alpha\beta=q を使う。

(1) 展開して a1=αβ−(α+β)+1=p+q+1.a_1=\alpha\beta-(\alpha+\beta)+1=p+q+1. また α2+β2=(α+β)2−2αβ=p2−2q\alpha^2+\beta^2=(\alpha+\beta)^2-2\alpha\beta=p^2-2q より a2=(αβ)2−(α2+β2)+1=q2−p2+2q+1.a_2=(\alpha\beta)^2-(\alpha^2+\beta^2)+1=q^2-p^2+2q+1. さらに α3+β3=(α+β)3−3αβ(α+β)=−p3+3pq\alpha^3+\beta^3=(\alpha+\beta)^3-3\alpha\beta(\alpha+\beta)=-p^3+3pq だから a3=(αβ)3−(α3+β3)+1=p3+q3−3pq+1.a_3=(\alpha\beta)^3-(\alpha^3+\beta^3)+1=p^3+q^3-3pq+1. いずれも整数係数の式なので整数である。

(2) はじめの条件から ∣α∣,∣β∣≠1|\alpha|,|\beta|\ne1。従って ∣αn∣≠1|\alpha^n|\ne1、∣βn∣≠1|\beta^n|\ne1 であり、全ての n≧1n\ge1 で an≠0a_n\ne0。

(∣α∣−1)(∣β∣−1)>0(|\alpha|-1)(|\beta|-1)>0 なら、両方の絶対値が1未満か、両方が1より大きい。

前者では αn,βn→0\alpha^n,\beta^n\to0 なので an→1a_n\to1。従って ∣an+1/an∣→1\left|a_{n+1}/a_n\right|\to1。

後者では αβ=q≠0\alpha\beta=q\ne0 で、 αn+1−1αn−1=α−α−n1−α−n⟶α\displaystyle \frac{\alpha^{n+1}-1}{\alpha^n-1} =\frac{\alpha-\alpha^{-n}}{1-\alpha^{-n}}\longrightarrow\alpha となる。同様にβの因子はβに近づくから ∣an+1an∣⟶∣αβ∣=∣q∣,\displaystyle \left|\frac{a_{n+1}}{a_n}\right|\longrightarrow|\alpha\beta|=|q|, これは整数である。

(3) ϕ=(1+5)/2\phi=(1+\sqrt5)/2 は無理数である。もし (∣α∣−1)(∣β∣−1)>0(|\alpha|-1)(|\beta|-1)>0 なら(2)の極限は整数になり、ϕ\phi と一致できない。はじめの条件では積は0ではないため、ここでは (∣α∣−1)(∣β∣−1)<0(|\alpha|-1)(|\beta|-1)<0。一方の根を γ\gamma、他方を δ\delta とし、∣γ∣>1>∣δ∣|\gamma|>1>|\delta| とする。∣δ∣<1|\delta|<1 から δn+1−1δn−1⟶1,\displaystyle \frac{\delta^{n+1}-1}{\delta^n-1}\longrightarrow1, また ∣γ∣>1|\gamma|>1 から γn+1−1γn−1=γ−γ−n1−γ−n⟶γ.\displaystyle \frac{\gamma^{n+1}-1}{\gamma^n-1} =\frac{\gamma-\gamma^{-n}}{1-\gamma^{-n}}\longrightarrow\gamma. 従って条件の極限は ∣γ∣=ϕ|\gamma|=\phi。よって γ=ϕ\gamma=\phi または γ=−ϕ\gamma=-\phi。

ϕ2=ϕ+1\phi^2=\phi+1 を用いる。γ=φなら 0=ϕ2+pϕ+q=(p+1)ϕ+(q+1).0=\phi^2+p\phi+q=(p+1)\phi+(q+1). p,qは整数でφは無理数なので p=−1,q=−1p=-1,q=-1。γ=−φなら 0=ϕ2−pϕ+q=(1−p)ϕ+(1+q),0=\phi^2-p\phi+q=(1-p)\phi+(1+q), 従って p=1,q=−1p=1,q=-1。

両候補はそれぞれの二次方程式の根が ϕ,−1/ϕ\phi,-1/\phi、または −ϕ,1/ϕ-\phi,1/\phi であり、絶対値が一方1より大きく他方1より小さい。従っていずれも元の条件を満たし、極限も ϕ\phi となる。

この問題で使う考え方

  • 解と係数の関係
  • べきの極限
  • 絶対値による場合分け
  • 無理数の係数比較

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