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九州大学/2018年度/前期

九州大学 2018年 数学 第1問解答・解説

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1問題

九州大学2018年度第1問

この問題の解答は,解答紙26の定められた場所に記入しなさい。\ [問題]\ 座標空間において,xyxy 平面上にある双曲線 x2−y2=1x^{2}-y^{2}=1 のうち x≧1x\geq1 を満たす部分を CC とする。また,zz 軸上の点 A(0,0,1)A(0,0,1) を考える。点 PP が CC 上を動くとき,直線 APAP と平面 x=dx=d との交点の軌跡を求めよ。ただし,dd は正の定数とする。

まずは自分で解いてみましょう。詰まったら「考え方」、解けたら「答え」で確かめられます。

2考え方

考え方を見る解き方の方針だけを確かめる

C上の点P(x0,y0,0)(x0≧1,x0^2-y0^2=1)とA(0,0,1)を結ぶ直線を媒介変数tで表し、平面x=dとの交点条件tx0=dからt=d/x0を一意に求めて交点Qの座標(d, dy0/x0, 1-d/x0)を得る。s=1/x0とおいてx0,y0を消去し、円の方程式y^2+(z-1)^2=d^2を導出。sの範囲0<s≦1をzの範囲1-d≦z<1に直し、円の中心のz座標が1であることからこれが円を中心で二等分した下側の半円弧(両端点を除く)に一致することを示し、逆向きの対応(十分性)と数値検算で確認した。

3答え

答えを見る自分の答えと照らし合わせる
  • 平面 x=d\quad x=d\quad 上において,
    y2+(z−1)2=d2,z<1\quad y^{2}+(z-1)^{2}=d^{2},\qquad z<1\quad
    を満たす点全体が求める軌跡である。これは中心 (d,0,1)\quad (d,0,1)\quad ,半径 d\quad d\quad の円を,その中心を通り z\quad z\quad 軸に垂直な直線 z=1\quad z=1\quad で二等分したときの下側の半円弧であり,両端点 (d,d,1), (d,−d,1)\quad (d,d,1),\space{}(d,-d,1)\quad を除き,点 (d,0,1−d)\quad (d,0,1-d)\quad を含む(開いた半円弧)。

4解答

解答を見る途中式つきの解答

点 PP は双曲線 C: x2−y2=1 (x≧1)C:\ x^{2}-y^{2}=1\ (x\ge 1) 上の点であるから,P(x0,y0,0)P(x_{0},y_{0},0) とおくと x02−y02=1,x0≧1(∗)x_{0}^{2}-y_{0}^{2}=1,\qquad x_{0}\ge 1\qquad (\ast) が成り立つ。逆に (∗)(\ast) を満たす実数の組 (x0,y0)(x_{0},y_{0}) に対して y0y_{0} は任意の実数値をとりうる(x0=1+y02x_{0}=\sqrt{1+y_{0}^{2}} として 実数 y0y_{0} を自由に選べる)。

直線 APAP は,A(0,0,1)A(0,0,1),方向ベクトル AP→=(x0,y0,−1)\overrightarrow{AP}=(x_{0},y_{0},-1) を用いて,媒介変数 tt により (x,y,z)=(0,0,1)+t(x0,y0,−1)=(tx0, ty0, 1−t)(t は実数)(x,y,z)=(0,0,1)+t(x_{0},y_{0},-1)=(tx_{0},\ ty_{0},\ 1-t)\qquad(t\text{ は実数}) と表される。

直線 APAP と平面 x=dx=d との交点を Q(d,y,z)Q(d,y,z) とする。xx 座標について tx0=d.tx_{0}=d. (∗)(\ast) より x0≧1>0x_{0}\ge 1>0 であるから,これを満たす tt は t=dx0\displaystyle t=\frac{d}{x_{0}} とただ一つ定まる。したがって,CC 上の任意の点 PP に対して交点 QQ がちょうど一つ存在し,そのとき y=ty0=d y0x0,z=1−t=1−dx0(⋆)\displaystyle y=ty_{0}=\frac{d\,y_{0}}{x_{0}},\qquad z=1-t=1-\frac{d}{x_{0}}\qquad(\star) である。

以下,(⋆)(\star) から x0,y0x_{0},y_{0} を消去して y,zy,z の関係式を求める。s=1x0\displaystyle s=\dfrac{1}{x_{0}} とおくと,x0≧1x_{0}\ge1 より 0<s≦1.0<s\le 1. (∗)(\ast) の両辺を x02x_{0}^{2} で割ると 1−(y0x0)2=1x02=s2\displaystyle 1-\left(\dfrac{y_{0}}{x_{0}}\right)^{2}=\dfrac{1}{x_{0}^{2}}=s^{2} であるから,y0x0=±1−s2\displaystyle \dfrac{y_{0}}{x_{0}}=\pm\sqrt{1-s^{2}}(符号は y0y_{0} の符号と一致)。よって y=d⋅s⋅y0x0⋅x0/x0=d(y0x0)=±d1−s2,z=1−ds.\displaystyle y=d\cdot s\cdot\frac{y_{0}}{x_{0}}\cdot x_0 \Big/ x_0 =d\left(\frac{y_0}{x_0}\right)=\pm d\sqrt{1-s^{2}},\qquad z=1-ds. (第一式は y=ty0=dsy0y=ty_0=d s y_0 で,y0=x0⋅(y0/x0)=1s⋅(±1−s2)\displaystyle y_0=x_0\cdot(y_0/x_0)=\dfrac1s\cdot(\pm\sqrt{1-s^2}) を用いて整理すると y=ds⋅±1−s2s=±d1−s2\displaystyle y=ds\cdot\dfrac{\pm\sqrt{1-s^2}}{s}=\pm d\sqrt{1-s^2} となる。)

第二式より s=1−zd\displaystyle s=\dfrac{1-z}{d}。これを第一式(の平方)に代入すると y2=d2(1−s2)=d2−d2s2=d2−(1−z)2,y^{2}=d^{2}(1-s^{2})=d^{2}-d^{2}s^{2}=d^{2}-(1-z)^{2}, すなわち y2+(z−1)2=d2⋯①y^{2}+(z-1)^{2}=d^{2}\qquad\cdots\text{①} を得る。これは平面 x=dx=d 上で,中心 (d,0,1)(d,0,1),半径 dd の円の方程式である。

次に,ss のとりうる範囲 0<s≦10<s\le 1 を zz の条件に直す。s=(1−z)/ds=(1-z)/d,d>0d>0 であるから 0<1−zd≦1すなわち1−d≦z<1⋯②\displaystyle 0<\frac{1-z}{d}\le 1\text{すなわち} 1-d\le z<1\qquad\cdots\text{②} である。円①は中心の zz 座標がちょうど 11 であるから,直線 z=1z=1(中心を通り zz 軸に垂直な直線)は円①をちょうど二等分し,条件②「1−d≦z<11-d\le z<1」は,この二等分線の下側(zz が小さい側)にある弧全体に一致する(下端 z=1−dz=1-d は円周上の点 (d,0,1−d)(d,0,1-d) そのものであり,上限 z=1z=1 は円周上の点 (d,±d,1)(d,\pm d,1) に対応するがこれらは到達しない)。

(検算・十分性の確認)逆に,①かつ z<1z<1 を満たす点 (d,y,z)(d,y,z) を任意にとる。s=1−zd\displaystyle s=\dfrac{1-z}{d} とおくと 0<s≦10<s\le 1(z≧1−dz\ge 1-d は①より (z−1)2≦d2(z-1)^2\le d^2 すなわち ∣1−z∣≦d|1-z|\le d と z<1z<1 から従う)。x0=1s (≧1)\displaystyle x_{0}=\dfrac{1}{s}\ (\ge1),y0=yds\displaystyle y_{0}=\dfrac{y}{ds} とおけば,①より y2=d2−(1−z)2=d2(1−s2)y^{2}=d^{2}-(1-z)^{2}=d^2(1-s^2) なので y02=y2d2s2=1−s2s2=x02−1\displaystyle y_0^2=\dfrac{y^2}{d^2s^2}=\dfrac{1-s^2}{s^2}=x_0^2-1,すなわち x02−y02=1x_{0}^{2}-y_{0}^{2}=1 が成り立ち,CC 上に対応する点 P(x0,y0,0)P(x_{0},y_{0},0) が存在する。このとき t=d/x0=dst=d/x_0=ds として (⋆)(\star) を逆にたどれば,直線 APAP と平面 x=dx=d の交点がちょうど (d,y,z)(d,y,z) に一致することが確かめられる。

以上より,求める軌跡は x=d,y2+(z−1)2=d2,z<1x=d,\qquad y^{2}+(z-1)^{2}=d^{2},\qquad z<1 であり,これは平面 x=dx=d 上の円 y2+(z−1)2=d2y^{2}+(z-1)^{2}=d^{2} を,その中心 (d,0,1)(d,0,1) を通る水平線 z=1z=1 で二等分したうちの下側の半円弧(両端点 (d,d,1),(d,−d,1)(d,d,1),(d,-d,1) を除き,点 (d,0,1−d)(d,0,1-d) を含む)である。

(数値検算)x0=2, y0=3x_{0}=2,\ y_{0}=\sqrt3(x02−y02=4−3=1x_0^2-y_0^2=4-3=1 を満たす)のとき,t=d/2t=d/2 より y=32d, z=1−d2\displaystyle y=\dfrac{\sqrt3}{2}d,\ z=1-\dfrac{d}{2}。このとき y2+(z−1)2=34d2+14d2=d2\displaystyle y^{2}+(z-1)^{2}=\dfrac{3}{4}d^{2}+\dfrac{1}{4}d^{2}=d^{2} となり①が成立し,z=1−d/2<1z=1-d/2<1 も②に適合する。また x0=1,y0=0x_0=1,y_0=0(CC の頂点)では t=dt=d,y=0, z=1−dy=0,\ z=1-d で,下端点 (d,0,1−d)(d,0,1-d) が確かに実現される。

この問題で使う考え方

  • 空間座標と空間ベクトル
  • ベクトルの成分表示
  • ベクトルによる図形の考察
  • 双曲線
  • 曲線の媒介変数表示
  • 軌跡

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