自然数 n を固定し, J(x,y)=∫01(sin(2nπt)−xt−y)2dt とおく。x,y がすべての実数を動くときの J(x,y) の最小値が In である。
(1) 展開して基本積分に帰着させる
被積分関数を展開すると J(x,y)=∫01sin2(2nπt)dt−2x∫01tsin(2nπt)dt−2y∫01sin(2nπt)dt+x2∫01t2dt+2xy∫01tdt+y2∫01dt. となる。ここで an=∫01sin(2nπt)dt,bn=∫01tsin(2nπt)dt,cn=∫01sin2(2nπt)dt とおく(n は自然数なので 2nπ,4nπ はいずれも 2π の整数倍であり,cos(2nπ)=1, sin(2nπ)=0, sin(4nπ)=0 が成り立つことを用いる)。
an=[−2nπcos(2nπt)]01=2nπ−cos(2nπ)+1=0.
bn は部分積分により,u=t, dv=sin(2nπt)dt(v=−2nπcos(2nπt))ととると bn=[−2nπtcos(2nπt)]01+∫012nπcos(2nπt)dt=−2nπcos(2nπ)+[(2nπ)2sin(2nπt)]01=−2nπ1+0=−2nπ1.
cn は倍角の公式 sin2θ=21−cos2θ より cn=∫0121−cos(4nπt)dt=21−21[4nπsin(4nπt)]01=21−0=21.
また ∫01t2dt=31, ∫01tdt=21, ∫01dt=1 である。an=0 に注意してこれらを代入すると J(x,y)=21−2bnx+31x2+xy+y2 という x,y の整式(y について,また x について,それぞれ2次式)が得られる。
(2) 平方完成を2回行って最小値を求める
まず x を固定し,y の2次式として平方完成する。 J(x,y)=(y+2x)2−4x2+31x2−2bnx+21=(y+2x)2+121x2−2bnx+21. 右辺は y=−2x のとき,かつそのときに限り最小(この x に対する最小値をとる)。このとき g(x)=121x2−2bnx+21 について,再び x の2次式として平方完成すると g(x)=121(x2−24bnx)+21=121(x−12bn)2−12bn2+21. x2 の係数 121>0 より,g(x) は x=12bn のとき最小値 21−12bn2 をとる。
したがって J(x,y) の最小値は In=21−12bn2 であり,このとき(最小を与える x,y は,参考として) x=12bn=−nπ6,y=−2x=nπ3 である。
(3) In を求め極限をとる
bn=−2nπ1 であるから bn2=4n2π21 より In=21−12⋅4n2π21=21−n2π23. この式は任意の自然数 n で成り立つ厳密な等式である。n→∞ のとき n2π23→0 であるから n→∞limIn=n→∞lim(21−n2π23)=21.
検算 x=y=0(何も近似しない場合)では J(0,0)=cn=21 となり,これは In の上界を与えるはずである。実際 In=21−n2π23<21 であり整合する。さらに J の 2次形式の部分 31x2+xy+y2 の判別式相当量は,y について平方完成した係数 121>0 であることから,得られた停留点が確かに最小値を与えることも確認できる(n=1 で数値計算すると I1=21−π23≒0.196 で,0<I1<21 を満たす)。以上より n→∞limIn=21.
自然数 n を固定し, J(x,y)=∫01(sin(2nπt)−xt−y)2dt とおく。x,y がすべての実数を動くときの J(x,y) の最小値が In である。
(1) 展開して基本積分に帰着させる
被積分関数を展開すると J(x,y)=∫01sin2(2nπt)dt−2x∫01tsin(2nπt)dt−2y∫01sin(2nπt)dt+x2∫01t2dt+2xy∫01tdt+y2∫01dt となる。ここで an=∫01sin(2nπt)dt,bn=∫01tsin(2nπt)dt,cn=∫01sin2(2nπt)dt とおく(n は自然数なので 2nπ,4nπ はいずれも 2π の整数倍であり,cos(2nπ)=1, sin(2nπ)=0, sin(4nπ)=0 が成り立つことを用いる)。
an=[−2nπcos(2nπt)]01=2nπ−cos(2nπ)+1=0.
bn は部分積分により,u=t, dv=sin(2nπt)dt(v=−2nπcos(2nπt))ととると bn=[−2nπtcos(2nπt)]01+∫012nπcos(2nπt)dt=−2nπcos(2nπ)+[(2nπ)2sin(2nπt)]01=−2nπ1+0=−2nπ1.
cn は倍角の公式 sin2θ=21−cos2θ より cn=∫0121−cos(4nπt)dt=21−21[4nπsin(4nπt)]01=21−0=21.
また ∫01t2dt=31, ∫01tdt=21, ∫01dt=1 である。an=0 に注意してこれらを代入すると J(x,y)=21−2bnx+31x2+xy+y2 という x,y の整式(y について,また x について,それぞれ2次式)が得られる。
(2) 平方完成を2回行って最小値を求める
まず x を固定し,y の2次式として平方完成する。 J(x,y)=(y+2x)2−4x2+31x2−2bnx+21=(y+2x)2+121x2−2bnx+21. 右辺は y=−2x のとき,かつそのときに限り最小(この x に対する最小値をとる)。このとき g(x)=121x2−2bnx+21 について,再び x の2次式として平方完成すると g(x)=121(x2−24bnx)+21=121(x−12bn)2−12bn2+21. x2 の係数 121>0 より,g(x) は x=12bn のとき最小値 21−12bn2 をとる。
したがって J(x,y) の最小値は In=21−12bn2 であり,このとき(最小を与える x,y は,参考として) x=12bn=−nπ6,y=−2x=nπ3 である。
(3) In を求め極限をとる
bn=−2nπ1 であるから bn2=4n2π21 より In=21−12⋅4n2π21=21−n2π23. この式は任意の自然数 n で成り立つ厳密な等式である。n→∞ のとき n2π23→0 であるから n→∞limIn=n→∞lim(21−n2π23)=21.
検算 x=y=0(何も近似しない場合)では J(0,0)=cn=21 となり,これは In の上界を与えるはずである。実際 In=21−n2π23<21 であり整合する。さらに J の 2次形式の部分 31x2+xy+y2 の判別式相当量は,y について平方完成した係数 121>0 であることから,得られた停留点が確かに最小値を与えることも確認できる(n=1 で数値計算すると I1=21−π23≒0.196 で,0<I1<21 を満たす)。以上より n→∞limIn=21.