曲線 C: y=f(x)=e−x−e−2x 上の接点を (t,f(t)) とし,点 (a,0) を通る C の接線が存在するような t が取れる条件として a の範囲を求める。 f′(x)=−e−x+2e−2x であるから,点 (t,f(t)) における接線は y−f(t)=f′(t)(x−t) である。これが (a,0) を通るとき −f(t)=f′(t)(a−t)⋯(∗) が成り立つ。 まず f′(t)=0 となる t を調べる。u=e−t(u>0) とおくと f(t)=u−u2=u(1−u),f′(t)=−u+2u2=u(2u−1) より,f′(t)=0、すなわち u=21、すなわち t=log2。このとき f(t)=21−41=41=0 であるから,t=log2 での接線(水平線 y=41)は x 軸上のどの点も通らない。よって (∗) を考える上で t=log2 としてよく,このとき f′(t)=0 なので a=t−f′(t)f(t) と表せる。 u=e−t を用いると f′(t)f(t)=u(2u−1)u(1−u)=2u−11−u(u=0 で約分) であるから,t の関数として a(t)=t+φ(t),φ(t)=2u−1u−1(u=e−t) とおける。(∗) を満たす t(t=log2)が存在することと,a が関数 a(t) の値域に属することは同値である。よって a(t) の値域を求める。 【増減の調査】 φ を u の関数とみて商の微分により dudφ=(2u−1)2(2u−1)−(u−1)⋅2=(2u−1)21 であり,dtdu=−u(u=e−t の微分)だから,合成関数の微分により φ′(t)=dudφ⋅dtdu=−(2u−1)2u<0(u>0, u=21) すなわち φ は定義される各区間で単調減少である。よって a′(t)=1+φ′(t)=(2u−1)2(2u−1)2−u=(2u−1)24u2−5u+1=(2u−1)2(4u−1)(u−1) となり,分母は正なので a′(t) の符号は (4u−1)(u−1) の符号と一致する。u=e−t は t の減少関数(tが大きくなると値は必ず小さくなる)で, u=1、すなわち t=0,u=21、すなわち t=log2,u=41、すなわち t=log4=2log2 である(0<log2<log4)。u>0 の範囲で符号を調べると u(4u−1)(u−1)u>1+41<u<1, u=21−0<u<41+ を t に読み替えると ta′(t)t<0+000<t<log2−log2(定義域外)log2<t<2log2−2log20t>2log2+ すなわち a(t) は t≦0 で単調増加,0≦t<log2 と log2<t≦2log2 でそれぞれ単調減少,t≧2log2 で単調増加である。 【境界値・極限】 a(0)=0+2−11−1=0 a(2log2)=2log2+21−141−1=2log2+−21−43=2log2+23 t→−∞ のとき u=e−t→∞ で φ(t)→21(有限値)なので a(t)=t+φ(t)→−∞。 t→log2−(u→21+)のとき,分母 2u−1→0+,分子 u−1→−21 より φ(t)→−∞,よって a(t)→−∞。 t→log2+(u→21−)のとき,分母 2u−1→0−,分子 u−1→−21 より φ(t)→+∞,よって a(t)→+∞。 t→∞ のとき u→0+ で φ(t)→0−10−1=1 なので a(t)=t+φ(t)→+∞。 【値域の合成】
・ t≦0:a は −∞ から単調増加して a(0)=0。値域 a≦0。
・ 0≦t<log2:a は a(0)=0 から単調減少して −∞。値域 a≦0。
・ log2<t≦2log2:a は +∞ から単調減少して a(2log2)=2log2+23。値域 a≧2log2+23。
・ t≧2log2:a は a(2log2)=2log2+23 から単調増加して +∞。値域 a≧2log2+23。
これらの和集合が,条件を満たす t が存在する a の全体(=求める範囲)である: a≦0またはa≧23+2log2 (この間,0<a<23+2log2 ではどの分枝の値域にも属さないので,対応する t は存在しない。) 【検算】t=0:接点 (0,f(0))=(0,0),f′(0)=1 より接線は y=x。これは (0,0) を通るので a=0 は確かに条件を満たす(接点自身が x 軸上にある境界例)。 t=2log2=log4:u=41 より接点は (log4, 41−161)=(log4, 163),f′(log4)=−41+81=−81。接線は y−163=−81(x−log4) で,y=0 とおくと x=log4+23=2log2+23 となり,境界値と一致する。 以上より,求める a の値の範囲は a≦0 または a≧23+2log2 である。