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長崎大学/2003年度/前期

長崎大学 2003年 数学 第4問解答・解説

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1問題

長崎大学2003年度第4問

右の図は、関数 y=sin⁡xx(x>0)\displaystyle y=\frac{\sin x}{x}\quad(x>0) のグラフの概形である。このグラフと xx 軸との交点の xx 座標を左から順に、a1,a2,a3,…,an,…a_1,a_2,a_3,\ldots,a_n,\ldots とおく。an≦x≦an+1a_n\leq x\leq a_{n+1} において、このグラフを xx 軸のまわりに1回転してできる立体の体積を VnV_n とすると、∑n=1∞Vn\displaystyle\sum\limits _{n=1}^{\infty}V_n は収束する。次の問いに答えなさい。

矢印付きx,y軸に原点Oが記され、y軸の1に白抜きの点がある。そこから右へ延びる曲線はx軸の上下に波打ちながら振幅を小さくし、x軸との交点には左からa₁,a₂,a₃,a₄,a₅,a₆が記されている。

(1) ana_n の値を求め、VnV_n を sin⁡2xx\displaystyle\frac{\sin 2x}{x} の定積分で表しなさい。   (2) Vn≦1n−1n+1\displaystyle V_n\leq\frac{1}{n}-\frac{1}{n+1} となることを示しなさい。   (3) ∑n=1∞Vn≦1\displaystyle\sum\limits _{n=1}^{\infty}V_n\leq1 となることを示しなさい。

まずは自分で解いてみましょう。詰まったら「考え方」、解けたら「答え」で確かめられます。

2答え

答えを見る自分の答えと照らし合わせる
  • (1)an=nπ,Vn=π∫nπ(n+1)πsin⁡2xx dx/(2)Vn≦1n−1n+1/(3)∑n=1∞Vn≦1\displaystyle (1) a_n=n\pi, V_n=\pi\int_{n\pi}^{(n+1)\pi}\frac{\sin 2x}{x}\,dx / (2) V_n\leq\frac{1}{n}-\frac{1}{n+1} / (3) \sum\limits _{n=1}^{\infty}V_n\leq1

3解答

解答を見る途中式つきの解答

(1) x>0x>0 で sin⁡x=0\sin x=0 となるのは x=nπ (n=1,2,…)x=n\pi\ (n=1,2,\ldots) だから、an=nπa_n=n\pi である。グラフを xx 軸のまわりに回転してできる立体の体積は Vn=π∫nπ(n+1)π(sin⁡xx)2dx.\displaystyle V_n=\pi\int_{n\pi}^{(n+1)\pi}\left(\frac{\sin x}{x}\right)^2dx. ここで、u=sin⁡2x, dv=dx/x2u=\sin^2x,\ dv=dx/x^2 として部分積分すると、du=sin⁡2x dx, v=−1/xdu=\sin2x\,dx,\ v=-1/x だから、 ∫nπ(n+1)πsin⁡2xx2 dx=[−sin⁡2xx]nπ(n+1)π+∫nπ(n+1)πsin⁡2xx dx.\displaystyle \int_{n\pi}^{(n+1)\pi}\frac{\sin^2x}{x^2}\,dx=\left[-\frac{\sin^2x}{x}\right]_{n\pi}^{(n+1)\pi}+\int_{n\pi}^{(n+1)\pi}\frac{\sin2x}{x}\,dx. 両端では sin⁡2x=0\sin^2x=0 なので、 Vn=π∫nπ(n+1)πsin⁡2xx dx.\displaystyle V_n=\pi\int_{n\pi}^{(n+1)\pi}\frac{\sin 2x}{x}\,dx.

(2) t=xπ−n\displaystyle t=\frac{x}{\pi}-n とおくと、x=nπx=n\pi から (n+1)π(n+1)\pi まで tt は 00 から 11 まで動く。また dx=π dtdx=\pi\,dt なので、 Vn=∫01sin⁡2(πt)(n+t)2 dt.\displaystyle V_n=\int_0^1\frac{\sin^2(\pi t)}{(n+t)^2}\,dt. 0≦sin⁡2(πt)≦10\leq\sin^2(\pi t)\leq1 かつ n+t>0n+t>0 より、 Vn≦∫011(n+t)2 dt=[−1n+t]01=1n−1n+1.\displaystyle V_n\leq\int_0^1\frac{1}{(n+t)^2}\,dt=\left[-\frac{1}{n+t}\right]_0^1=\frac{1}{n}-\frac{1}{n+1}.

(3) 各 Vn≧0V_n\geq0 であり、(2)を n=1,2,…,Nn=1,2,\ldots,N について加えると、 0≦∑n=1NVn≦∑n=1N(1n−1n+1)=1−1N+1≦1.\displaystyle 0\leq\sum\limits _{n=1}^{N}V_n\leq\sum\limits _{n=1}^{N}\left(\frac1n-\frac1{n+1}\right)=1-\frac{1}{N+1}\leq1. したがって部分和は増加しながら 11 以下に抑えられるので収束し、その極限をとれば ∑n=1∞Vn≦1\displaystyle \sum\limits _{n=1}^{\infty}V_n\leq1 である。

正の零点列はa_n=nπ。回転体の体積を円板法で積分し、部分積分でsin(2x)/xの定積分形に変える。積分範囲を0≦t≦1へ移し、sin²の上界1を使ってV_n≦1/n−1/(n+1)を示す。これを有限和に適用すると右辺の中間の項が打ち消し合い、非負部分和の極限が1以下と分かる。

この問題で使う考え方

  • 回転体の体積(円板法)
  • 部分積分と置換積分
  • 被積分関数の比較
  • 望遠鏡和と単調有界性

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