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長崎大学/2018年度/前期

長崎大学 2018年 数学 第8問解答・解説

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1問題

長崎大学2018年度第8問

積分を用いて表される次の関数 Fn(x)=∫0xtnn!e−t dt(n=0,1,2,…)\displaystyle F_{n}(x)=\int_{0}^{x}\frac{t^{n}}{n!}e^{-t}\,dt\qquad(n=0,1,2,\ldots) について,以下の問いに答えよ。ただし,0!=10!=1 と定める。また,関数 y=t0y=t^{0} は,関数 y=1y=1 を意味する。

(1) 部分積分を利用して,F2(x)F_{2}(x) を F1(x)F_{1}(x) を用いて表せ。同様に,F1(x)F_{1}(x) を F0(x)F_{0}(x) を用いて表せ。

(2) F0(x)F_{0}(x) を計算し,積分を含まない式として表せ。その結果を利用して,F1(x)F_{1}(x) を積分を含まない式として表せ。さらに,F2(x)F_{2}(x) を積分を含まない式として表せ。

(3) n≧1n\geq1 のとき,Fn(x)F_{n}(x) を Fn−1(x)F_{n-1}(x) を用いて表せ。さらに,n≧0n\geq0 のとき,Fn(x)F_{n}(x) を積分を含まない式として表せ。

(4) p(x)=xnp(x)=x^{n} とおくとき,kk 次導関数 p(k)(x) (k=1,2,…,n)p^{(k)}(x)\ (k=1,2,\ldots,n) を求めよ。そして, ∫0xtne−t dt=n!−e−x∑k=0np(k)(x)\displaystyle \int_{0}^{x}t^{n}e^{-t}\,dt=n!-e^{-x}\sum\limits _{k=0}^{n}p^{(k)}(x) が成り立つことを示せ。ただし,p(0)(x)=p(x)p^{(0)}(x)=p(x) と定める。

まずは自分で解いてみましょう。詰まったら「考え方」、解けたら「答え」で確かめられます。

2解答

解答を見る答えはこの解答の中にあります

(1) n≧1n\ge1 として部分積分を行うと、 Fn(x)=1n!∫0xtne−t dt=[−tnn!e−t]0x+1(n−1)!∫0xtn−1e−t dt=Fn−1(x)−xnn!e−x.\displaystyle \begin{aligned}F_n(x)&=\frac{1}{n!}\int_0^x t^ne^{-t}\,dt\\&=\left[-\frac{t^n}{n!}e^{-t}\right]_0^x+\frac{1}{(n-1)!}\int_0^x t^{n-1}e^{-t}\,dt\\&=F_{n-1}(x)-\frac{x^n}{n!}e^{-x}. \end{aligned} 下端の境界項は n≧1n\ge1 より 00 である。したがって、n=2,1n=2,1 とすれば F2(x)=F1(x)−x22e−x,F1(x)=F0(x)−xe−x.\displaystyle F_2(x)=F_1(x)-\frac{x^2}{2}e^{-x},\qquad F_1(x)=F_0(x)-xe^{-x}.

(2) F0(x)=∫0xe−t dt=1−e−x.\displaystyle F_0(x)=\int_0^x e^{-t}\,dt=1-e^{-x}. これを (1) の関係に代入して F1(x)=1−(x+1)e−x,F2(x)=1−(1+x+x22)e−x.\displaystyle F_1(x)=1-(x+1)e^{-x},\qquad F_2(x)=1-\left(1+x+\frac{x^2}{2}\right)e^{-x}.

(3) (1) の計算は任意の n≧1n\ge1 について成り立つので、 Fn(x)=Fn−1(x)−xnn!e−x(n≧1).\displaystyle F_n(x)=F_{n-1}(x)-\frac{x^n}{n!}e^{-x}\qquad(n\ge1). また F0(x)=1−e−xF_0(x)=1-e^{-x} である。これを初期値として上の漸化式を順に用いると、n≧0n\ge0 について Fn(x)=1−e−x−e−x(x+x22!+⋯+xnn!)=1−e−x∑j=0nxjj!.\displaystyle \begin{aligned}F_n(x)&=1-e^{-x}-e^{-x}\left(x+\frac{x^2}{2!}+\cdots+\frac{x^n}{n!}\right)\\&=1-e^{-x}\sum\limits _{j=0}^{n}\frac{x^j}{j!}. \end{aligned} n=0n=0 のときも和は 11 だけであり、同じ式が成り立つ。

(4) p(x)=xnp(x)=x^n の導関数は、1≦k≦n1\le k\le n に対して p(k)(x)=n(n−1)⋯(n−k+1)xn−k=n!(n−k)!xn−k.\displaystyle p^{(k)}(x)=n(n-1)\cdots(n-k+1)x^{n-k}=\frac{n!}{(n-k)!}x^{n-k}. p(n+1)(x)=0p^{(n+1)}(x)=0 である。S(t)=∑k=0np(k)(t)\displaystyle S(t)=\sum\limits _{k=0}^{n}p^{(k)}(t) とおくと、積の微分法より ddt(−e−tS(t))=e−t(S(t)−S′(t))=e−t(∑k=0np(k)(t)−∑k=1n+1p(k)(t))=e−tp(t)=tne−t.\displaystyle \begin{aligned}\frac{d}{dt}\left(-e^{-t}S(t)\right)&=e^{-t}\bigl(S(t)-S'(t)\bigr)\\&=e^{-t}\left(\sum\limits _{k=0}^{n}p^{(k)}(t)-\sum\limits _{k=1}^{n+1}p^{(k)}(t)\right)\\&=e^{-t}p(t)=t^ne^{-t}. \end{aligned} したがって、積分の基本性質から ∫0xtne−t dt=[−e−tS(t)]0x=−e−x∑k=0np(k)(x)+S(0).\displaystyle \int_0^x t^ne^{-t}\,dt=\left[-e^{-t}S(t)\right]_0^x=-e^{-x}\sum\limits _{k=0}^{n}p^{(k)}(x)+S(0). S(0)=n!S(0)=n! である。実際、n≧1n\ge1 なら k<nk<n の各項は 00 で、p(n)(0)=n!p^{(n)}(0)=n! となり、n=0n=0 でも S(0)=p(0)=1=0!S(0)=p(0)=1=0! である。ゆえに ∫0xtne−t dt=n!−e−x∑k=0np(k)(x),\displaystyle \int_0^x t^ne^{-t}\,dt=n!-e^{-x}\sum\limits _{k=0}^{n}p^{(k)}(x), が成り立つ。

この問題で使う考え方

  • 定積分
  • 多項式の導関数
  • 指数・対数関数の微分
  • 三角・指数・対数関数等の積分
  • 不定積分・定積分の性質
  • 部分積分法
  • 積の微分

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