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奈良県立医科大学/2017年度/前期

奈良県立医科大学 2017年 数学 第5問解答・解説

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1問題

奈良県立医科大学2017年度第5問

以下の文章の空欄に適切な数、式または数学記号を入れて文章を完成させよ。

4人のプレイヤーによるトーナメントを行う。プレイヤー A,B,C,DA,B,C,D は自分の名前の書かれた玉をそれぞれ a,b,c,da,b,c,d 個持っている。ただし、a,b,c,da,b,c,d は正の整数である。トーナメントは次のようにして行う。

トーナメントルール:まず4人を2人ずつの2組に分け、それぞれの組で予選試合を1試合ずつ行う。予選2試合それぞれの勝者が決勝に進み、決勝1試合の勝者をトーナメントの優勝者とする。

試合は次のルールに従って行う。

試合ルール:対戦する2人の持つ玉すべてを1つの袋に入れよくかきまぜた後、袋から玉を1つ取り出す。取り出した玉に名前が書かれているプレイヤーをその試合の勝者とする。試合の終了後は、試合で使った玉を対戦したプレイヤーそれぞれに返却する。

(1) AA が予選で BB と対戦する場合、AA がトーナメントで優勝する確率は a2(a+b)(a+c)(a+d)(a+ア)\displaystyle \frac{a^2}{(a+b)(a+c)(a+d)}\left(a+\boxed{\text{ア}}\right) である。同様に、AA が予選で CC と対戦する場合や、DD と対戦する場合に AA がトーナメントで優勝する確率も求まる。

(2) 次に、予選での AA の対戦相手を次のように決めることとする。B,C,DB,C,D の持つ玉すべてを1つの袋に入れてよくかきまぜた後、袋から玉を1つ取り出す。袋から取り出した玉に名前が書かれたプレイヤーと AA が予選で対戦する。なお、対戦相手決定のために使った玉は、対戦相手決定後、B,C,DB,C,D それぞれに返却する。予選で AA が BB と対戦する確率は イ\boxed{\text{イ}} である。同様に、予選で AA が CC と対戦する確率や、DD と対戦する確率も求まる。よって、AA がこのトーナメントで優勝する確率は a2(a+b)(a+c)(a+d)(a+ウ(1b+c+1c+d+1d+b))\displaystyle \frac{a^2}{(a+b)(a+c)(a+d)} \left(a+\boxed{\text{ウ}}\left(\frac{1}{b+c}+\frac{1}{c+d}+\frac{1}{d+b}\right)\right) である。

まずは自分で解いてみましょう。詰まったら「考え方」、解けたら「答え」で確かめられます。

2考え方

考え方を見る解き方の方針だけを確かめる

各試合の勝率を玉数の比で表し、予選の勝者で場合分けして全確率を計算する。(2)では対戦相手選択の確率で(1)の各場合を重み付けする。

3答え

答えを見る自分の答えと照らし合わせる
  • (1) ア=2cdc+d,\displaystyle =\dfrac{2cd}{c+d},
    (2) イ=bb+c+d,\displaystyle =\dfrac{b}{b+c+d},\quad ウ=2bcdb+c+d.\displaystyle =\dfrac{2bcd}{b+c+d}.

4解答

解答を見る途中式つきの解答

1試合で、玉をそれぞれ x,yx,y 個持つ2人が対戦するとき、全 x+yx+y 個の玉から1個が等確率で選ばれるので、xx 個持つ側が勝つ確率は xx+y\displaystyle \dfrac{x}{x+y} である。試合後に玉は返却され、次の試合も改めてよくかきまぜてから抽出するので、各試合の勝敗は独立である。また、各対戦者の玉数は試合の前後で変わらない。

(1) AA が予選で BB と対戦するとき、AA が優勝するには、まず AA が BB に勝ち、次に C,DC,D の予選勝者に決勝で勝てばよい。CC が予選に勝つ確率は cc+d\displaystyle \dfrac{c}{c+d}、そのとき AA が決勝に勝つ確率は aa+c\displaystyle \dfrac{a}{a+c} である。同様に、DD が予選に勝つ確率は dc+d\displaystyle \dfrac{d}{c+d}、そのとき AA が決勝に勝つ確率は aa+d\displaystyle \dfrac{a}{a+d} である。したがって、予選で AA が BB と対戦する場合の優勝確率を PBP_B とすると、 PB=aa+b(cc+daa+c+dc+daa+d)=a2(a+b)(c+d)⋅c(a+d)+d(a+c)(a+c)(a+d)=a2(a+b)(a+c)(a+d)(a+2cdc+d).\displaystyle P_B=\frac{a}{a+b}\left(\frac{c}{c+d}\frac{a}{a+c}+\frac{d}{c+d}\frac{a}{a+d}\right) =\frac{a^2}{(a+b)(c+d)}\cdot\frac{c(a+d)+d(a+c)}{(a+c)(a+d)} =\frac{a^2}{(a+b)(a+c)(a+d)}\left(a+\frac{2cd}{c+d}\right). よって、ア=2cdc+d\displaystyle \text{ア}=\dfrac{2cd}{c+d} である。

同じ場合分けを他の組合せにも用いる。予選で AA が CC と対戦するときは、残る B,DB,D のうち BB が予選に勝つ確率が bb+d\displaystyle \dfrac{b}{b+d}、そのとき AA が決勝に勝つ確率が aa+b\displaystyle \dfrac{a}{a+b} であり、DD が予選に勝つ確率が db+d\displaystyle \dfrac{d}{b+d}、そのときの決勝勝率が aa+d\displaystyle \dfrac{a}{a+d} である。したがって PC=aa+c(bb+daa+b+db+daa+d)=a2(a+b)(a+c)(a+d)(a+2bdb+d).\displaystyle P_C=\frac{a}{a+c}\left(\frac{b}{b+d}\frac{a}{a+b}+\frac{d}{b+d}\frac{a}{a+d}\right) =\frac{a^2}{(a+b)(a+c)(a+d)}\left(a+\frac{2bd}{b+d}\right). 予選で AA が DD と対戦するときも同様に、残る B,CB,C の予選勝者で場合分けして PD=aa+d(bb+caa+b+cb+caa+c)=a2(a+b)(a+c)(a+d)(a+2bcb+c)\displaystyle P_D=\frac{a}{a+d}\left(\frac{b}{b+c}\frac{a}{a+b}+\frac{c}{b+c}\frac{a}{a+c}\right) =\frac{a^2}{(a+b)(a+c)(a+d)}\left(a+\frac{2bc}{b+c}\right) を得る。

(2) T=b+c+dT=b+c+d とおく。相手決定のために取り出す玉は B,C,DB,C,D の計 TT 個のうちの1個なので、AA が B,C,DB,C,D とそれぞれ予選で対戦する確率は bT,cT,dT\displaystyle \dfrac{b}{T},\dfrac{c}{T},\dfrac{d}{T} である。対戦相手を決めた後にその玉を返すため、各場合の優勝確率は(1)の PB,PC,PDP_B,P_C,P_D のままである。全確率を用いると P=bTPB+cTPC+dTPD=a2(a+b)(a+c)(a+d)[bT(a+2cdc+d)+cT(a+2bdb+d)+dT(a+2bcb+c)]=a2(a+b)(a+c)(a+d)(a+2bcdT(1b+c+1c+d+1d+b)).\displaystyle \begin{aligned} P &=\frac{b}{T}P_B+\frac{c}{T}P_C+\frac{d}{T}P_D\\ &=\frac{a^2}{(a+b)(a+c)(a+d)}\left[\frac{b}{T}\left(a+\frac{2cd}{c+d}\right)+\frac{c}{T}\left(a+\frac{2bd}{b+d}\right)+\frac{d}{T}\left(a+\frac{2bc}{b+c}\right)\right]\\ &=\frac{a^2}{(a+b)(a+c)(a+d)}\left(a+\frac{2bcd}{T}\left(\frac{1}{b+c}+\frac{1}{c+d}+\frac{1}{d+b}\right)\right). \end{aligned} したがって、イ=bb+c+d\displaystyle \text{イ}=\dfrac{b}{b+c+d}、ウ=2bcdb+c+d\displaystyle \text{ウ}=\dfrac{2bcd}{b+c+d} である。

検算として a=b=c=d=1a=b=c=d=1 とすると、(1)の優勝確率は 18(1+1)=14\displaystyle \dfrac18(1+1)=\dfrac14 となる。また(2)でも 18(1+23⋅32)=14\displaystyle \dfrac18\left(1+\dfrac23\cdot\dfrac32\right)=\dfrac14 であり、4人が対称な場合の各人の優勝確率と一致する。

この問題で使う考え方

  • 確率の基本法則
  • 条件付き確率
  • 独立な試行

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