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東京大学/2009年度

東京大学 2009年 数学 第6問解答・解説

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1問題

東京大学2009年度第6問

平面上の2点P,Qの距離を d(P,Q)d(P,Q) と表すことにする。平面上に点Oを中心とする一辺の長さが1000の正三角形 △A1A2A3\triangle A_1A_2A_3 がある。△A1A2A3\triangle A_1A_2A_3 の内部に3点 B1,B2,B3B_1,B_2,B_3 を,d(An,Bn)=1 (n=1,2,3)d(A_n,B_n)=1\ (n=1,2,3) となるようにとる。また, a⃗1=A1A2→,a⃗2=A2A3→,a⃗3=A3A1→,e⃗1=A1B1→,e⃗2=A2B2→,e⃗3=A3B3→\vec a_1=\overrightarrow{A_1A_2},\quad \vec a_2=\overrightarrow{A_2A_3},\quad \vec a_3=\overrightarrow{A_3A_1},\\ \vec e_1=\overrightarrow{A_1B_1},\quad \vec e_2=\overrightarrow{A_2B_2},\quad \vec e_3=\overrightarrow{A_3B_3} とおく。n=1,2,3のそれぞれに対して,時刻0にAnA_nを出発し,e⃗n\vec e_nの向きに速さ1で直進する点を考え,時刻tにおけるその位置をPn(t)P_n(t)と表すことにする。

三角形の頂点A₁・A₂・A₃と、内側の黒丸O・P₁(t)・P₂(t)・P₃(t)が記されている。各AᵢからPᵢ(t)へ線分が延び、A₁で辺A₁A₂との角θ₁、A₂で辺A₂A₃との角θ₂、A₃で辺A₃A₁との角θ₃が弧で示されている。

(1) ある時刻tで d(P1(t),P2(t))≦1d(P_1(t),P_2(t))\le1 が成立した。ベクトル e⃗1−e⃗2\vec e_1-\vec e_2 とベクトル a⃗1\vec a_1 とのなす角度をθ\thetaとおく。このとき ∣sin⁡θ∣≦11000\displaystyle |\sin\theta|\le\frac1{1000} となることを示せ。

(2) 角度 θ1,θ2,θ3\theta_1,\theta_2,\theta_3 を θ1=∠B1A1A2, θ2=∠B2A2A3, θ3=∠B3A3A1\theta_1=\angle B_1A_1A_2,\ \theta_2=\angle B_2A_2A_3,\ \theta_3=\angle B_3A_3A_1 によって定義する。α\alphaを 0<α<π2\displaystyle 0<\alpha<\frac\pi2 かつ sin⁡α=11000\displaystyle \sin\alpha=\frac1{1000} をみたす実数とする。(1)と同じ仮定のもとで,θ1+θ2\theta_1+\theta_2の値のとる範囲をα\alphaを用いて表せ。

(3) 時刻 t1,t2,t3t_1,t_2,t_3 のそれぞれにおいて,次が成立した。 d(P2(t1),P3(t1))≦1,d(P3(t2),P1(t2))≦1,d(P1(t3),P2(t3))≦1.d(P_2(t_1),P_3(t_1))\le1,\quad d(P_3(t_2),P_1(t_2))\le1,\quad d(P_1(t_3),P_2(t_3))\le1. このとき,時刻 T=10003\displaystyle T=\frac{1000}{\sqrt3} において同時に d(P1(T),O)≦3,d(P2(T),O)≦3,d(P3(T),O)≦3d(P_1(T),O)\le3,\quad d(P_2(T),O)\le3,\quad d(P_3(T),O)\le3 が成立することを示せ。

まずは自分で解いてみましょう。詰まったら「考え方」、解けたら「答え」で確かめられます。

2答え

答えを見る自分の答えと照らし合わせる
  • (1)
    ∣sin⁡θ∣≦11000\displaystyle \left|\sin\theta\right|\le\frac{1}{1000}
  • (2)
    π/3−2α≦θ1+θ2≦π/3+2α
  • (3)
    T=10003\displaystyle T=\frac{1000}{\sqrt3} で各 ii の距離は 3\sqrt3 以下、したがって 33 以下

3解答

解答を見る途中式つきの解答

(1) e⃗1,e⃗2\vec e_1,\vec e_2 は単位ベクトルである。v=e⃗1−e⃗2v=\vec e_1-\vec e_2 とおく。仮定 d(P1(t),P2(t))≦1d(P_1(t),P_2(t))\le1 のもとで v=0v=0 なら距離は常に ∣a⃗1∣=1000|\vec a_1|=1000 となり矛盾するので、v≠0v\ne0。位置差は a⃗1−tv\vec a_1-tv であり、その直線への最短距離は 1000∣sin⁡θ∣1000|\sin\theta|。ある時刻の距離が1以下なら最短距離も1以下なので ∣sin⁡θ∣≦11000.\displaystyle |\sin\theta|\le\frac1{1000}.

(2) 正三角形の向きを a⃗1\vec a_1 の偏角0、a⃗2\vec a_2 の偏角 2π/32\pi/3 として表す。内点条件から 0<θ1,θ2<π/30<\theta_1,\theta_2<\pi/3。e⃗1\vec e_1 と e⃗2\vec e_2 の偏角をそれぞれ u=θ1, v=2π/3+θ2u=\theta_1,\ v=2\pi/3+\theta_2 とおくと、 e⃗1−e⃗2=2sin⁡v−u2(cos⁡β,sin⁡β),β=u+v2−π2=θ1+θ22−π6.\displaystyle \vec e_1-\vec e_2 =2\sin\frac{v-u}{2}(\cos\beta,\sin\beta), \qquad \beta=\frac{u+v}{2}-\frac{\pi}{2} =\frac{\theta_1+\theta_2}{2}-\frac{\pi}{6}. ここで −π/6<β<π/6-\pi/6<\beta<\pi/6 なので、θ=∣β∣\theta=|\beta|。α\alpha は 0<α<π/60<\alpha<\pi/6 かつ sin⁡α=1/1000\sin\alpha=1/1000。 (1)より ∣β∣≦α|\beta|\le\alpha だから π3−2α≦θ1+θ2≦π3+2α.\displaystyle \frac{\pi}{3}-2\alpha\le\theta_1+\theta_2\le\frac{\pi}{3}+2\alpha. 両端は θ1=θ2=π/6±α\theta_1=\theta_2=\pi/6\pm\alpha と置けば内点条件を満たし実現する。

(3) 各辺に(2)を適用すると三つの和 θ1+θ2,θ2+θ3,θ3+θ1\theta_1+\theta_2,\theta_2+\theta_3,\theta_3+\theta_1 はすべて π/3−2α\pi/3-2\alpha 以上 π/3+2α\pi/3+2\alpha 以下である。例えば θ1=(θ1+θ2)+(θ1+θ3)−(θ2+θ3)2\displaystyle \theta_1=\frac{(\theta_1+\theta_2)+(\theta_1+\theta_3)-(\theta_2+\theta_3)}{2} なので ∣θi−π/6∣≦3α|\theta_i-\pi/6|\le3\alpha(各i)。正三角形の外接円半径は T=1000/3T=1000/\sqrt3。uiu_i を AiA_i からOへ向かう単位ベクトルとすると d(Pi(T),O)=T∣e⃗i−ui∣=2T∣sin⁡θi−π/62∣≦2Tsin⁡3α2.\displaystyle d(P_i(T),O)=T|\vec e_i-u_i| =2T\left|\sin\frac{\theta_i-\pi/6}{2}\right| \le2T\sin\frac{3\alpha}{2}. x=α/2x=\alpha/2 とおけば 32sin⁡α−sin⁡3α2=sin⁡x(1−cos⁡x)(1+4cos⁡x)≧0.\displaystyle \frac32\sin\alpha-\sin\frac{3\alpha}{2} =\sin x(1-\cos x)(1+4\cos x)\ge0. したがって d(Pi(T),O)≦3Tsin⁡α=3⋅10003⋅11000=3<3\displaystyle d(P_i(T),O)\le3T\sin\alpha =3\cdot\frac{1000}{\sqrt3}\cdot\frac1{1000} =\sqrt3<3 となる。

この問題で使う考え方

  • ベクトルの差の最短距離
  • 偏角と正弦
  • 外接円の半径

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