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筑波大学/2025年度

筑波大学 2025年 数学 第1問解答・解説

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1問題

筑波大学2025年度第1問

実数の組 (a,r)(a, r) に関する以下の条件 (A) を考える。

(A) 初項 aa, 公比 rr の等比数列 {an}\{a_{n}\} は, すべての正の整数 nn について tan⁡an+1=tan⁡3an\tan a_{n+1} = \tan 3a_{n} を満たす。ただし, いずれの正の整数 nn に対しても, ana_{n} および 3an3a_{n} は 12π+kπ\displaystyle \frac{1}{2}\pi + k\pi (kk は整数) の形でない。

(1) 組 (a,r)(a, r) が条件 (A) を満たすとき, tan⁡ar=tan⁡3a\tan ar = \tan 3a および tan⁡ar2=tan⁡3ar\tan ar^{2} = \tan 3ar が成り立つことを示せ。

(2) 組 (a,r)(a, r) が条件(A)を満たし, かつ aπ\displaystyle \frac{a}{\pi} が無理数であるとき, r = 3 であることを示せ。

(3) 組 (25π,r)\displaystyle \left(\frac{2}{5}\pi, r\right) が条件(A)を満たすとき,r は整数であることを示せ。

(4) 1≦r≦101 \leq r \leq 10 を満たす r で, 組 (25π,r)\displaystyle \left(\frac{2}{5}\pi, r\right) が条件 (A) を満たすものをすべて求めよ。

まずは自分で解いてみましょう。詰まったら「考え方」、解けたら「答え」で確かめられます。

2考え方

考え方を見る解き方の方針だけを確かめる

正接の周期性で条件を整数条件に置き換え、無理数性・既約分数の分母を用いてrを絞り、最後に正接の未定義点も含め候補を確認する。

3答え

答えを見る自分の答えと照らし合わせる
  • (1) tan⁡(ar)=tan⁡(3a),tan⁡(ar2)=tan⁡(3ar).\tan(ar)=\tan(3a),\quad \tan(ar^2)=\tan(3ar).\quad (2) r=3.r=3.\quad (3) r∈Z.r\in\mathbb Z.\quad (4) r=3,8.r=3,8.

4解答

解答を見る途中式つきの解答

条件 (A) では各項とその 33 倍で正接が定義されている。実数 x,yx,y について(正接が定義されているとき)tan⁡x=tan⁡y\tan x=\tan y ならば x−y は π の整数倍x-y\text{ は }\pi\text{ の整数倍} である。したがって、an=arn−1a_n=ar^{n-1} とおくと、条件 (A) は an+1−3an=a(r−3)rn−1 は π の整数倍(n≧1)(*)a_{n+1}-3a_n=a(r-3)r^{n-1}\text{ は }\pi\text{ の整数倍}\qquad(n\ge1) \tag{*} を含意する。

(1) 条件 (A) の n=1,2n=1,2 における正接の等式をそのまま用いれば tan⁡(ar)=tan⁡(3a),tan⁡(ar2)=tan⁡(3ar)\tan(ar)=\tan(3a),\qquad \tan(ar^2)=\tan(3ar) を得る。

(2) q=a/πq=a/\pi とおく。仮定より qq は無理数であり、特に q≠0q\ne0。(∗*) の n=1,2n=1,2 から m=q(r−3) は整数,ℓ=q(r−3)r は整数m=q(r-3)\text{ は整数},\qquad \ell=q(r-3)r\text{ は整数} となる。m=0m=0 ならば q≠0q\ne0 より r=3r=3。m≠0m\ne0 と仮定すると r=ℓ/m は有理数r=\ell/m\text{ は有理数} であり、しかも r≠3r\ne3。よって q=m/(r−3) は有理数q=m/(r-3)\text{ は有理数} となって仮定に反する。したがって r=3r=3。

(3) ここでは a=2π/5a=2\pi/5 なので、(∗*) は mrn−1 は整数(n≧1),m=2(r−3)5 は整数\displaystyle m r^{n-1}\text{ は整数}\quad(n\ge1),\qquad m=\frac{2(r-3)}5\text{ は整数} を与える。m=0m=0 ならば r=3r=3 である。m≠0m\ne0 ならば n=2n=2 により mr は整数mr\text{ は整数} だから rr は有理数である。既約分数 r=p/qr=p/q(p は整数, q は正の整数, gcd⁡(∣p∣,q)=1p\text{ は整数},\ q\text{ は正の整数},\ \gcd(|p|,q)=1)をとると、全ての k≧0k\ge0 について mpk/qk は整数mp^k/q^k\text{ は整数} である。従って qk∣mq^k\mid m が全ての kk で成り立つ。m≠0m\ne0 なので q>1q>1 は不可能であり、q=1q=1、すなわち r は整数r\text{ は整数}。

(4) (3) より rr は整数であり、(∗*) の n=1n=1 より 2(r−3)/5 は整数2(r-3)/5\text{ は整数}。従って r≡3(mod5)r\equiv3\pmod5 で、範囲 1≦r≦101\le r\le10 の候補は 3,83,8 だけである。これらについて an+1−3an=2π5(r−3)rn−1\displaystyle a_{n+1}-3a_n=\frac{2\pi}{5}(r-3)r^{n-1} はそれぞれ 00 または 2π 8n−12\pi\,8^{n-1} となり、常に π\pi の整数倍である。また k=n−1k=n-1 とすると an/π=2rk/5a_n/\pi=2r^k/5、3an/π=6rk/53a_n/\pi=6r^k/5。前者が 1/2+j1/2+j(j は整数j\text{ は整数})なら 4rk=5(2j+1)4r^k=5(2j+1)、後者がそうなら 12rk=5(2j+1)12r^k=5(2j+1) となるが、いずれも偶数と奇数が等しいことになり不可能。よって正接は全て定義され、候補 r=3,8r=3,8 はともに条件 (A) を満たす。

この問題で使う考え方

  • 三角関数の相互関係
  • 三角関数の周期・グラフ
  • 等比数列の一般項と和
  • 実数と無理数
  • 対偶・背理法による証明
  • 約数・倍数

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