第k回の移動をYk/2kと書く。ただしYk は −1,0,1 のいずれかで、それぞれの確率は1/3である。Xn=k=1∑nYk/2k。k回目以後の和についてj=k+1∑n2jYj≦j=k+1∑n2j1=2k1−2n1<2k1(1)が成り立つ。
(1) 最初の非零のYkが正ならXn>0、負ならXn<0であり、(1)から他の項がその符号を覆すことはない。従ってXn=0となるのは全てのYk=0のときだけで、その確率は3−n。分布は正負対称なのでP(Xn>0)=21−3−n.
(2) R1=k=2∑nYk/2kとおく。(1)より∣R1∣<1/2である。よってXn=Y1/2+R1>1/2となるにはY1=1かつR1>0が必要十分。後半n−1回について(1)と同じ符号対称性を使うとP(R1>0)=(1−3−(n−1))/2だから、P(Xn>1/2)=31⋅21−3−(n−1)=61−3−(n−1).
(3) A=2ℓk=1∑ℓYk/2k=k=1∑ℓYk2ℓ−kとおけばAは整数である。またB=2ℓk=ℓ+1∑nYk/2kとおくと∣B∣≦k=ℓ+1∑n2ℓ−k=1−2−(n−ℓ)<1.したがって2ℓXn=A+B>1は、A≧2、またはA=1かつB>0の場合に限る。A≦0ならA+B<1である。
A=0となるのは前半の全項が零のときだけなのでP(A=0)=3−ℓ。またA=1となる列はちょうどℓ通りある。実際、最初の非零項が重み2rの位置にあるとき、その係数が+1で、後続の係数が全て−1なら和は2r−(2r−1)=1となる。この位置の選択がℓ通りであり、負の係数から始める場合は後続項の最大和を超えるため不可能である。よってP(A=1)=ℓ/3ℓ。Aは正負対称であるからP(A≧2)=21−3−ℓ−2ℓ/3ℓ.
後半のn−ℓ回も符号対称でP(B>0)=(1−3−(n−ℓ))/2。前半と後半は独立なのでP(Xn>2−ℓ)=P(A≧2)+P(A=1)P(B>0)=21−3−ℓ−2ℓ/3ℓ+3ℓℓ⋅21−3−(n−ℓ)=21(1−3ℓℓ+1−3nℓ).