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千葉大学/2024年度

千葉大学 2024年 数学 第9問解答・解説

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1問題

千葉大学2024年度第9問

mを0以上の整数,nを1以上の整数,tを0<t<1を満たす実数とし,F(m,n)=∑_{k=m}^{m+n−1} C(k,m)t^kで定める。

(1) pを整数とする。A=((t−1)F(m+1,n)+tF(m,n))/t^p がtによらない値となるようなpと,そのときのAを求めよ。

(2) 極限lim_{n→∞}F(m,n)が収束することを示し,その極限値を求めよ。ただし,0<s<1のときlim_{k→∞} k^m s^k=0であることは用いてよい。

まずは自分で解いてみましょう。詰まったら「考え方」、解けたら「答え」で確かめられます。

2考え方

考え方を見る解き方の方針だけを確かめる

パスカルの恒等式で有限和を隣り合う項が打ち消し合う形へ変形し、その関係をmについて帰納的に使って極限を求める。

3答え

答えを見る自分の答えと照らし合わせる
  • (1)p=m+n+1,A=(m+nm+1).\displaystyle (1)\quad p=m+n+1,\quad A=\binom{m+n}{m+1}.
    (2)lim⁡n→∞F(m,n)=tm(1−t)m+1.\displaystyle (2)\quad \lim\limits _{n\to\infty}F(m,n)=\frac{t^m}{(1-t)^{m+1}}.

4解答

解答を見る途中式つきの解答

(1) tF(m,n)=∑k=m+1m+n(k−1m)tk\displaystyle tF(m,n)=\sum\limits _{k=m+1}^{m+n}\binom{k-1}{m}t^k と添字をずらす。また (t−1)F(m+1,n)=∑k=m+1m+n(km+1)(tk+1−tk)\displaystyle (t-1)F(m+1,n)=\sum\limits _{k=m+1}^{m+n}\binom{k}{m+1}(t^{k+1}-t^k) である。パスカルの恒等式 (km+1)=(k−1m+1)+(k−1m)\displaystyle \binom{k}{m+1}=\binom{k-1}{m+1}+\binom{k-1}{m} を用いると、(t−1)F(m+1,n)+tF(m,n)=∑k=m+1m+n{(km+1)tk+1−(k−1m+1)tk}=(m+nm+1)tm+n+1.\displaystyle (t-1)F(m+1,n)+tF(m,n)=\sum\limits _{k=m+1}^{m+n}\left\{\binom{k}{m+1}t^{k+1}-\binom{k-1}{m+1}t^k\right\}=\binom{m+n}{m+1}t^{m+n+1}. 最後は隣り合う項が消去され、下端の係数 (mm+1)=0\displaystyle \binom{m}{m+1}=0 となるためである。したがって A=(m+nm+1)tm+n+1−p\displaystyle A=\binom{m+n}{m+1}t^{m+n+1-p}。二項係数は正であるから、これが tt によらないためには指数が0でなければならず、p=m+n+1p=m+n+1、A=(m+nm+1)\displaystyle A=\binom{m+n}{m+1}。 (2) m=0m=0 では F(0,n)=∑k=0n−1tk=(1−tn)/(1−t)→1/(1−t)\displaystyle F(0,n)=\sum\limits _{k=0}^{n-1}t^k=(1-t^n)/(1-t)\to1/(1-t)。次に m≧1m\ge1 とする。(1)の恒等式で mm を m−1m-1 に置き換えると (t−1)F(m,n)+tF(m−1,n)=(m+n−1m)tm+n,\displaystyle (t-1)F(m,n)+tF(m-1,n)=\binom{m+n-1}{m}t^{m+n}, よって F(m,n)=t1−tF(m−1,n)−(m+n−1m)tm+n1−t.\displaystyle F(m,n)=\frac{t}{1-t}F(m-1,n)-\frac{\binom{m+n-1}{m}t^{m+n}}{1-t}. 固定した m≧1m\ge1 に対して k=m+n−1k=m+n-1 とおけば (km)≦km/m!\displaystyle \binom{k}{m}\le k^m/m! なので、補正項の絶対値は tm!(1−t)kmtk→0\displaystyle \frac{t}{m!(1-t)}k^m t^k\to0。これは問題で許された極限に s=ts=t を代入したものである。したがって、m−1m-1 で極限が存在すれば mm でも存在し、極限値 LmL_m は Lm=t1−tLm−1\displaystyle L_m=\frac{t}{1-t}L_{m-1} を満たす。基底 L0=1/(1−t)L_0=1/(1-t) から Lm=tm/(1−t)m+1L_m=t^m/(1-t)^{m+1} を得る。

この問題で使う考え方

  • 組合せ
  • 総和記号と数列の和
  • 漸化式
  • 無限等比級数
  • 数列の極限

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