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防衛医科大学校/2022年度/一般

防衛医科大学校 2022年 数学 第VII問解答・解説

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1問題

防衛医科大学校2022年度第VII問

AA さんと BB さんが1枚ずつコインを持ち、各時刻 t (t=1,2,3,…)t\ (t=1,2,3,\ldots) にそれぞれが以下の試行を1回行う。

試行:コインを1枚投げ、表が出たら2点、裏が出たら1点を獲得する。

少なくともどちらかの合計点が8点以上になったらその時刻で試行を終了し、その時刻におけるそれぞれの合計点をそれぞれの最終得点とする。最終得点が高い方を勝者とする。

ただし、ある時刻でどちらかの合計点が初めて4点以上になり、そのときもう一方の合計点が4点未満だった場合、点数が低い方はその時刻で試行を終了し、その時刻までの合計点を最終得点とする。点数が高い方はそのまま試行を継続し、合計点が8点以上になった時刻に試行を終了し、その時刻までの合計点を最終得点とする。

(例1)AA さんが時刻1で表、時刻2で裏、時刻3で表を出し、BB さんが時刻1で表、時刻2で裏、時刻3で裏を出した場合、AA さん、BB さんともに時刻3で初めて4点以上になったので、両者とも試行を継続する。AA さんが時刻4で表、時刻5で表を出し、BB さんが時刻4で裏、時刻5で裏を出した場合、時刻5で AA さんが初めて8点以上になったので両者試行を終了し、AA さんの最終得点は9点、BB さんの最終得点は6点となる。

(例2)AA さんが時刻1で表、時刻2でも表を出し、BB さんが時刻1で表、時刻2で裏を出した場合、AA さんが初めて4点以上になった時刻2で、BB さんは4点未満なので、BB さんは試行を終了し、BB さんの最終得点は3点となる。AA さんはその後も試行を継続し、時刻3で表、時刻4で裏、時刻5で表を出した場合、時刻5で初めて8点以上になったので試行を終了し、AA さんの最終得点は9点となる。

このとき、以下の問に答えよ。ただし、(1)から(4)の答えは分子が奇数、分母が2の累乗のままの分数で表せ。

(1) AA さん、BB さんそれぞれの合計得点が同時刻に初めて4点以上になる確率はいくらか。

(2) AA さん、BB さんそれぞれの合計得点が同時刻に初めて4点以上になり、その時刻で AA さんの合計得点が5点、BB さんの合計得点が4点である確率はいくらか。

(3) AA さん、BB さんそれぞれの合計得点が同時刻に両方ちょうど4点になり、AA さんの合計得点が初めて8点以上になった時刻に、BB さんの合計得点が8点未満である確率はいくらか。

(4) AA さんの最終得点が BB さんの最終得点よりちょうど2点多くなる確率はいくらか。

まずは自分で解いてみましょう。詰まったら「考え方」、解けたら「答え」で確かめられます。

2考え方

考え方を見る解き方の方針だけを確かめる

一人の初回4点到達時刻と得点分布を列挙し、独立性で同時到達事象を計算した。最後の問は同時到達後の得点状態について四通りの次試行を使う有限再帰で評価した。

3答え

答えを見る自分の答えと照らし合わせる
  • (1) 1532,\displaystyle (1)\space{}\frac{15}{32},
    (2) 25256,\displaystyle (2)\space{}\frac{25}{256},
    (3) 90116384,\displaystyle (3)\space{}\frac{901}{16384},
    (4) 81116384.\displaystyle (4)\space{}\frac{811}{16384}.

4解答

解答を見る途中式つきの解答

1回の試行で得る点を、表なら2点、裏なら1点とする。コインの表裏は各回とも確率がそれぞれ12\displaystyle \frac12で、二人の試行は独立である。一人の得点が初めて4点以上になる時刻を TT、その時の得点を STS_T とする。最初の2回が表表なら T=2,ST=4T=2, S_T=4。T=3T=3 の場合、時刻2までの得点が3なら3回目が裏で4点、表で5点となり、時刻2までの得点が2なら3回目が表で4点となる。T=4T=4 となるのは最初の3回がすべて裏の場合だけで、4回目が裏なら4点、表なら5点である。従って tPr⁡(T=t,ST=4)Pr⁡(T=t,ST=5)Pr⁡(T=t)2140143381458411611618\displaystyle \begin{array}{c|ccc} t & \Pr(T=t,S_T=4) & \Pr(T=t,S_T=5) & \Pr(T=t)\\ \hline 2 & \frac14 & 0 & \frac14\\ 3 & \frac38 & \frac14 & \frac58\\ 4 & \frac1{16} & \frac1{16} & \frac18 \end{array} となる。各人は独立にコインを投げる。

(1) 両者が初めて4点以上になる時刻が等しい確率は ∑t=24Pr⁡(T=t)2=(14)2+(58)2+(18)2=1532.\displaystyle \sum\limits _{t=2}^{4}\Pr(T=t)^2=\left(\frac14\right)^2+\left(\frac58\right)^2+\left(\frac18\right)^2=\frac{15}{32}.

(2) 時刻3でAが5点、Bが4点となる確率は 14⋅38\displaystyle \frac14\cdot\frac38、時刻4でそのようになる確率は 116⋅116\displaystyle \frac1{16}\cdot\frac1{16}。従って求める確率は 14⋅38+116⋅116=25256.\displaystyle \frac14\cdot\frac38+\frac1{16}\cdot\frac1{16}=\frac{25}{256}.

(3) 両者が同時にちょうど4点となる確率は (14)2+(38)2+(116)2=53256.\displaystyle \left(\frac14\right)^2+\left(\frac38\right)^2+\left(\frac1{16}\right)^2=\frac{53}{256}. この後は両者とも試行を続け、それぞれ4点から8点以上に初めて達するまでの時刻は、上の TT と同じ分布を持つ独立な確率変数である。同時に8点以上となる場合の確率は 1532\displaystyle \frac{15}{32} なので、対称性よりAがBより先に8点以上となる確率は 1−15322=1764.\displaystyle \frac{1-\frac{15}{32}}2=\frac{17}{64}. このとき、Aが初めて8点以上となった時点ではBは8点未満である。求める確率は 53256⋅1764=90116384.\displaystyle \frac{53}{256}\cdot\frac{17}{64}=\frac{901}{16384}.

(4) どちらか一方だけが先に4点以上となると、もう一方の最終得点は3点以下で、先に4点以上となった方の最終得点は8点以上となるため、得点差が2点にはならない。したがって両者が同時に初めて4点以上となった場合だけを考えればよい。上の表と独立性から、その時の得点の組と確率は (A,B)(4,4)(5,4)(4,5)(5,5)確率53256252562525617256\displaystyle \begin{array}{c|cccc} (A,B) & (4,4)&(5,4)&(4,5)&(5,5)\\ \hline \text{確率} & \frac{53}{256}&\frac{25}{256}&\frac{25}{256}&\frac{17}{256} \end{array} である。

この時点から両者が試行を続けている得点を (a,b)(a,b) とし、最終得点差が2点となる確率を G(a,b)G(a,b) とする。a≧8a\ge8 または b≧8b\ge8 なら試行は終了し、G(a,b)=1G(a,b)=1 は a−b=2a-b=2 のとき、それ以外は 00 である。まだ終了していないときは、次の4通りの表裏の組が等確率なので G(a,b)=14{G(a+1,b+1)+G(a+1,b+2)+G(a+2,b+1)+G(a+2,b+2)}.\displaystyle G(a,b)=\frac14\{G(a+1,b+1)+G(a+1,b+2)+G(a+2,b+1)+G(a+2,b+2)\}. この式を各開始得点に適用する。得点差2で終了する組は (8,6)(8,6) または (9,7)(9,7) に限られ、得られる確率は (a,b)Pr⁡((8,6))Pr⁡((9,7))G(a,b)(4,4)116132332(5,4)189641764(4,5)000(5,5)0116116\displaystyle \begin{array}{c|cc|c} (a,b)&\Pr((8,6))&\Pr((9,7))&G(a,b)\\ \hline (4,4)&\frac1{16}&\frac1{32}&\frac3{32}\\ (5,4)&\frac18&\frac9{64}&\frac{17}{64}\\ (4,5)&0&0&0\\ (5,5)&0&\frac1{16}&\frac1{16} \end{array} となる。よって 53256⋅332+25256⋅1764+25256⋅0+17256⋅116=81116384.\displaystyle \frac{53}{256}\cdot\frac3{32}+\frac{25}{256}\cdot\frac{17}{64}+\frac{25}{256}\cdot0+\frac{17}{256}\cdot\frac1{16}=\frac{811}{16384}. 以上である。

この問題で使う考え方

  • 確率の基本法則
  • 独立な試行
  • 条件付き確率
  • 和の法則
  • 積の法則

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