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信州大学/2018年度

信州大学 2018年 数学 第7問解答・解説

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1問題

信州大学2018年度第7問

M は有限個の複素数からなる集合で, (a) 1 ∈ M, 0 ∉ M (b) z, w ∈ M ならば zw ∈ M を満たす。α ∈ M とするとき,次の問いに答えよ。

(1) α^n = 1 となる自然数 n が存在することを示せ。

(2) m を α^m = 1 を満たす自然数のうち最小のものとする。このとき,cos(2π/m) + i sin(2π/m) ∈ M であることを示せ。

まずは自分で解いてみましょう。詰まったら「考え方」、解けたら「答え」で確かめられます。

2答え

答えを見る自分の答えと照らし合わせる
  • (1) n=j−in=j-iとすれば αn=1\alpha^n=1 となる正の整数 nn が存在する。(2) m=1m=1 のときは cos⁡2π+isin⁡2π=1∈M\cos 2\pi+i\sin 2\pi=1\in M。m≧2m\ge2 のとき α=cos⁡2πrm+isin⁡2πrm\displaystyle \alpha=\cos\frac{2\pi r}{m}+i\sin\frac{2\pi r}{m} と書け、最小性から (r,m)=1(r,m)=1 である。rs≡1(modm)rs\equiv1\pmod m となる正の整数 ss を取れば αs=cos⁡2πm+isin⁡2πm\displaystyle \alpha^s=\cos\frac{2\pi}{m}+i\sin\frac{2\pi}{m} であり、αs∈M\alpha^s\in M。
  • (1)n=j−i (≧1)(1) n=j-i\space{}(\ge 1) とすれば αn=1.\alpha^n=1.
    (2)cos⁡2πm+isin⁡2πm∈M.\displaystyle (2)\quad \cos\frac{2\pi}{m}+i\sin\frac{2\pi}{m}\in M.

3解答

解答を見る途中式つきの解答

自然数は正の整数とする。

(1) 0∉M0\notin M なので α≠0\alpha\ne0。また、積についての閉性から全ての正整数 kk で αk∈M\alpha^k\in M である。MM は有限集合だから、α,α2,…,α∣M∣+1\alpha,\alpha^2,\ldots,\alpha^{|M|+1} の中に等しい二つがある。すなわち、1≦i<j≦∣M∣+11\le i<j\le |M|+1 となる i,ji,j があり αi=αj\alpha^i=\alpha^j。α≠0\alpha\ne0 より両辺を αi\alpha^i で割ると αj−i=1\alpha^{j-i}=1。したがって n=j−in=j-i とすればよい。

(2) (1)より最小の mm が存在する。m=1m=1 のときは cos⁡2π+isin⁡2π=1∈M\cos2\pi+i\sin2\pi=1\in M である。以下 m≧2m\ge2 とする。αm=1\alpha^m=1 なので ∣α∣=1|\alpha|=1 であり、ある実数 θ\theta により α=cos⁡θ+isin⁡θ\alpha=\cos\theta+i\sin\theta と書ける。ド・モアブルの定理から mθ=2πkm\theta=2\pi k となる整数 kk がある。よって、ある整数 rr (0≦r<m0\le r<m) に対して α=cos⁡2πrm+isin⁡2πrm.\displaystyle \alpha=\cos\frac{2\pi r}{m}+i\sin\frac{2\pi r}{m}. d=gcd⁡(r,m)>1d=\gcd(r,m)>1 と仮定すると αm/d=cos⁡2πrd+isin⁡2πrd=1,1≦md<m,\displaystyle \alpha^{m/d}=\cos\frac{2\pi r}{d}+i\sin\frac{2\pi r}{d}=1, \qquad 1\le\frac md<m, となり、mm の最小性に反する。したがって gcd⁡(r,m)=1\gcd(r,m)=1。ベズーの等式により ru+mv=1ru+mv=1 となる整数 u,vu,v がある。uu の mm を法とする剰余を ss (1≦s<m1\le s<m) とすれば、ある整数 qq に対して rs=1+qmrs=1+qm。したがって αs=cos⁡2πrsm+isin⁡2πrsm=cos⁡(2πm+2πq)+isin⁡(2πm+2πq)=cos⁡2πm+isin⁡2πm.\displaystyle \begin{aligned} \alpha^s&=\cos\frac{2\pi rs}{m}+i\sin\frac{2\pi rs}{m}\\ &=\cos\left(\frac{2\pi}{m}+2\pi q\right) +i\sin\left(\frac{2\pi}{m}+2\pi q\right)\\ &=\cos\frac{2\pi}{m}+i\sin\frac{2\pi}{m}. \end{aligned} ss は正整数であり MM は積について閉じているため αs∈M\alpha^s\in M。よって求める複素数も MM に属する。

この問題で使う考え方

  • 約数・倍数
  • ユークリッドの互除法
  • 複素数平面
  • ド・モアブルの定理
  • 複素数の極形式

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