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東北大学/2021年度

東北大学 2021年 数学 第6問解答・解説

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1問題

東北大学2021年度第6問

以下の問いに答えよ。

(1) 正の実数 aa と正の整数 nn に対して次の等式が成り立つことを示せ。ただし, ee は自然対数の底とする。

ea=1+a+a22!+⋯+ann!+∫0a(a−x)nn!exdx\displaystyle e ^ {a} = 1 + a + \frac {a ^ {2}}{2 !} + \dots + \frac {a ^ {n}}{n !} + \int_ {0} ^ {a} \frac {(a - x) ^ {n}}{n !} e ^ {x} d x

(2) 正の実数 aa と正の整数 nn に対して次の不等式を示せ。

an+1(n+1)!≦∫0a(a−x)nn!exdx≦eaan+1(n+1)!\displaystyle \frac {a ^ {n + 1}}{(n + 1) !} \leq \int_ {0} ^ {a} \frac {(a - x) ^ {n}}{n !} e ^ {x} d x \leq \frac {e ^ {a} a ^ {n + 1}}{(n + 1) !}

(3) 不等式

∣e−(1+1+12!+⋯+1n!)∣<10−3\displaystyle \left| e - \left(1 + 1 + \frac {1}{2 !} + \dots + \frac {1}{n !}\right) \right| < 10^{-3}

を満たす最小の正の整数 n を求めよ。必要ならば 2 < e < 3 であることは証明なしに用いてもよい。

まずは自分で解いてみましょう。詰まったら「考え方」、解けたら「答え」で確かめられます。

2答え

答えを見る自分の答えと照らし合わせる
  • (1)
    ea=∑k=0nakk!+∫0a(a−x)nn!ex dx\displaystyle e^a=\sum\limits _{k=0}^n\frac{a^k}{k!}+\int_0^a\frac{(a-x)^n}{n!}e^x\,dx
    (2) an+1(n+1)!≦\displaystyle \frac{a^{n+1}}{(n+1)!}\le同積分≦eaan+1(n+1)!\displaystyle \le e^a\frac{a^{n+1}}{(n+1)!}。
    (3) 最小の正整数nnは66。

3解答

解答を見る途中式つきの解答

In(a)=∫0a(a−x)nn!ex dx とおく。\displaystyle I_n(a)=\int_0^a\frac{(a-x)^n}{n!}e^x\,dx\text{ とおく。} (1) I0(a)=ea−1 である。また n≧1 に対し、部分積分をすると\text{(1) }I_0(a)=e^a-1\text{ である。また }n\geq1\text{ に対し、部分積分をすると} In(a)=[(a−x)nn!ex]0a+∫0a(a−x)n−1(n−1)!ex dx=In−1(a)−ann!.\displaystyle \begin{aligned} I_n(a)&=\left[\frac{(a-x)^n}{n!}e^x\right]_0^a+\int_0^a\frac{(a-x)^{n-1}}{(n-1)!}e^x\,dx\\ &=I_{n-1}(a)-\frac{a^n}{n!}. \end{aligned} これを繰り返すと In(a)=ea−∑k=0nakk! となり、求める等式を得る。\displaystyle \text{これを繰り返すと }I_n(a)=e^a-\sum\limits _{k=0}^n\frac{a^k}{k!}\text{ となり、求める等式を得る。}

(2) 0≦x≦a では 1≦ex≦ea であり、 (a−x)nn!≧0 だから、\displaystyle \text{(2) }0\leq x\leq a\text{ では }1\leq e^x\leq e^a\text{ であり、 }\frac{(a-x)^n}{n!}\geq0\text{ だから、} ∫0a(a−x)nn! dx≦In(a)≦ea∫0a(a−x)nn! dx.\displaystyle \int_0^a\frac{(a-x)^n}{n!}\,dx\leq I_n(a)\leq e^a\int_0^a\frac{(a-x)^n}{n!}\,dx. ∫0a(a−x)nn! dx=an+1(n+1)!\displaystyle \int_0^a\frac{(a-x)^n}{n!}\,dx=\frac{a^{n+1}}{(n+1)!} より、示す不等式が成り立つ。\text{より、示す不等式が成り立つ。}

(3) Rn=e−∑k=0n1k!=In(1)>0 とおく。(2) より\displaystyle \text{(3) }R_n=e-\sum\limits _{k=0}^n\frac1{k!}=I_n(1)>0\text{ とおく。(2) より} 1(n+1)!≦Rn≦e(n+1)!.\displaystyle \frac1{(n+1)!}\leq R_n\leq\frac{e}{(n+1)!}. また Rn=Rn+1+1(n+1)! なので、Rn は n とともに減少する。したがって\displaystyle \text{また }R_n=R_{n+1}+\frac1{(n+1)!}\text{ なので、}R_n\text{ は }n\text{ とともに減少する。したがって} R5≧16!=1720>10−3.\displaystyle R_5\geq\frac1{6!}=\frac1{720}>10^{-3}. よって n≦5 は条件を満たさない。一方、e<3 より\text{よって }n\leq5\text{ は条件を満たさない。一方、}e<3\text{ より} R6≦e7!<35040=11680<10−3.\displaystyle R_6\leq\frac{e}{7!}<\frac3{5040}=\frac1{1680}<10^{-3}. よって条件を満たす最小の正の整数は n=6 である。\text{よって条件を満たす最小の正の整数は }n=6\text{ である。}

積分部分を I_n(a) と置いて部分積分の漸化式を反復する。次に 1≦e^x≦e^a を非負の核に掛けて剰余の上下界を得る。a=1では剰余が正で、n=5の下界とn=6の上界を比較し、n<5もn=5より大きいことを示す。

この問題で使う考え方

  • 部分積分の漸化式
  • 非負核を用いた定積分評価
  • 残差の最小整数判定

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