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東京大学/2010年度

東京大学 2010年 数学 第2問解答・解説

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1問題

東京大学2010年度第2問

(1) すべての自然数kに対して、次の不等式を示せ。 1/[2(k+1)] < ∫₀¹ (1−x)/(k+x) dx < 1/(2k)

(2) m>nであるようなすべての自然数mとnに対して、次の不等式を示せ。 (m−n)/[2(m+1)(n+1)] < log(m/n) − ∑k=n+1m\displaystyle \sum\limits _{k=n+1}^{m} 1/k < (m−n)/(2mn)

まずは自分で解いてみましょう。詰まったら「考え方」、解けたら「答え」で確かめられます。

2答え

答えを見る自分の答えと照らし合わせる
  • (1)
    12(k+1)<∫011−xk+x dx<12k\displaystyle \frac{1}{2(k+1)}<\int_0^1\frac{1-x}{k+x}\,dx<\frac{1}{2k}
    (2)
    m−n2(m+1)(n+1)<log⁡(mn)−∑k=n+1m1k<m−n2mn\displaystyle \frac{m-n}{2(m+1)(n+1)}<\log\left(\frac{m}{n}\right)-\sum\limits _{k=n+1}^m\frac{1}{k}<\frac{m-n}{2mn}

3解答

解答を見る途中式つきの解答

(1) kk は正の自然数とする。0<x<10<x<1 では k<k+x<k+1k<k+x<k+1 かつ 1−x>01-x>0 だから 1−xk+1<1−xk+x<1−xk.\displaystyle \frac{1-x}{k+1}<\frac{1-x}{k+x}<\frac{1-x}{k}. これを 00 から 11 まで積分する。不等式は区間の内部で厳密なので 12(k+1)=∫011−xk+1 dx<∫011−xk+x dx<∫011−xk dx=12k.\displaystyle \frac{1}{2(k+1)}=\int_0^1\frac{1-x}{k+1}\,dx <\int_0^1\frac{1-x}{k+x}\,dx <\int_0^1\frac{1-x}{k}\,dx=\frac{1}{2k}.

(2) m>nm>n は正の自然数とし、 D=log⁡mn−∑k=n+1m1k\displaystyle D=\log\frac mn-\sum\limits _{k=n+1}^{m}\frac1k とおく。対数の積分表示を区間ごとに分けると D=∑j=nm−1(∫jj+1dtt−1j+1)=∑j=nm−1∫01(1j+x−1j+1)dx=∑j=nm−11j+1∫011−xj+x dx.\displaystyle \begin{aligned} D&=\sum\limits _{j=n}^{m-1}\left(\int_j^{j+1}\frac{dt}{t}-\frac1{j+1}\right)\\ &=\sum\limits _{j=n}^{m-1}\int_0^1\left(\frac1{j+x}-\frac1{j+1}\right)dx\\ &=\sum\limits _{j=n}^{m-1}\frac1{j+1}\int_0^1\frac{1-x}{j+x}\,dx. \end{aligned} ここで(1)を各 jj に適用すると 12(j+1)2<1j+1∫011−xj+x dx<12j(j+1).\displaystyle \frac1{2(j+1)^2}<\frac1{j+1}\int_0^1\frac{1-x}{j+x}\,dx<\frac1{2j(j+1)}. また 1(j+1)2>1(j+1)(j+2)\displaystyle \dfrac1{(j+1)^2}>\dfrac1{(j+1)(j+2)} である。したがって和をとり、隣接する逆数の差に直せば D>12∑j=nm−11(j+1)(j+2)=12(1n+1−1m+1)=m−n2(m+1)(n+1),D<12∑j=nm−11j(j+1)=12(1n−1m)=m−n2mn.\displaystyle \begin{aligned} D&>\frac12\sum\limits _{j=n}^{m-1}\frac1{(j+1)(j+2)} =\frac12\left(\frac1{n+1}-\frac1{m+1}\right) =\frac{m-n}{2(m+1)(n+1)},\\ D&<\frac12\sum\limits _{j=n}^{m-1}\frac1{j(j+1)} =\frac12\left(\frac1n-\frac1m\right) =\frac{m-n}{2mn}. \end{aligned} よって所要の狭義不等式が成り立つ。

この問題で使う考え方

  • 被積分関数の大小比較
  • 定積分の区間分割
  • 部分分数分解と和の消去

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