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東京大学/2012年度

東京大学 2012年 数学 第1問解答・解説

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1問題

東京大学2012年度第1問

次の連立不等式で定まる座標平面上の領域 D を考える。

x2+(y−1)2≦1,x≧23.\displaystyle x^{2}+(y-1)^{2}\leq 1,\quad x\geq \frac{\sqrt{2}}{3}.

直線 ℓ\ell は原点を通り,D との共通部分が線分となるものとする。その線分の長さ L の最大値を求めよ。また,L が最大値をとるとき,x 軸と ℓ\ell のなす角 θ\theta (0<θ\theta<π2\displaystyle \frac{\pi}{2}) の余弦 cos⁡\cosθ\theta を求めよ。

まずは自分で解いてみましょう。詰まったら「考え方」、解けたら「答え」で確かめられます。

2答え

答えを見る自分の答えと照らし合わせる
  • Lmax⁡=23=63\displaystyle L_{\max}=\sqrt{\frac23}=\frac{\sqrt6}{3}。最大時 cos⁡θ=13\displaystyle \cos\theta=\frac1{\sqrt3}。

3解答

解答を見る途中式つきの解答

a=2/3a=\sqrt2/3 とおく。領域 DD の点は y≧0y\ge0 かつ x≧a>0x\ge a>0 を満たすので、DD と交わる原点通過直線は正の傾きをもつ。したがって、その方向を (cos⁡θ,sin⁡θ),0<θ<π2\displaystyle (\cos\theta,\sin\theta),\qquad 0<\theta<\frac\pi2 とし、直線上の点を (x,y)=(rcos⁡θ,rsin⁡θ)(x,y)=(r\cos\theta,r\sin\theta)(r≧0r\ge0)と表せる。

円の条件に代入すると r2cos⁡2θ+(rsin⁡θ−1)2≦1すなわちr2−2rsin⁡θ≦0すなわち0≦r≦2sin⁡θ.r^2\cos^2\theta+(r\sin\theta-1)^2\le1 \quad\text{すなわち}\quad r^2-2r\sin\theta\le0 \quad\text{すなわち}\quad 0\le r\le2\sin\theta. また x≧ax\ge a は r≧a/cos⁡θr\ge a/\cos\theta と同値である。よって交線分が存在する条件は a/cos⁡θ≦2sin⁡θa/\cos\theta\le2\sin\theta で、その長さは L(θ)=2sin⁡θ−acos⁡θ.\displaystyle L(\theta)=2\sin\theta-\frac{a}{\cos\theta}. c=cos⁡θc=\cos\theta、s=sin⁡θs=\sin\theta とし、F(θ)=2c3−asF(\theta)=2c^3-as とおくと L′(θ)=2c3−asc2=F(θ)c2,F′(θ)=−6c2s−ac<0.\displaystyle L'(\theta)=\frac{2c^3-as}{c^2}=\frac{F(\theta)}{c^2}, \qquad F'(\theta)=-6c^2s-ac<0. さらに F(0+)=2>0F(0+)=2>0、F((π/2)−)=−a<0F((\pi/2)-)=-a<0 だから、FF はただ一度だけ 00 になる。従って LL はその点まで増加し、その後減少する。

最大点では 2c3=as2c^3=as。両辺は正なので二乗して u=c2u=c^2 とおくと 4u3=a2(1−u)=29(1−u),\displaystyle 4u^3=a^2(1-u)=\frac29(1-u), 従って 18u3+u−1=(3u−1)(6u2+2u+1)=0.18u^3+u-1=(3u-1)(6u^2+2u+1)=0. 二次因子は 6(u+1/6)2+5/6>06(u+1/6)^2+5/6>0 なので u=1/3u=1/3。ゆえに cos⁡θ=13,sin⁡θ=23.\displaystyle \cos\theta=\frac1{\sqrt3},\qquad \sin\theta=\sqrt{\frac23}. このとき a/cos⁡θ=2/3<22/3=2sin⁡θa/\cos\theta=\sqrt{2/3}<2\sqrt{2/3}=2\sin\theta で、交線分は確かに存在する。したがって Lmax⁡=2sin⁡θ−acos⁡θ=23=63.\displaystyle L_{\max}=2\sin\theta-\frac{a}{\cos\theta} =\sqrt{\frac23}=\frac{\sqrt6}{3}.

a=23\displaystyle a=\frac{\sqrt2}{3}とおく。D内の点はy≧0 かつ x≧a>0y\ge0\text{ かつ }x\ge a>0なので、Dと非空交差する原点通過直線は正の傾きをもち、(x,y)=r(cos⁡θ,sin⁡θ),0<θ<π2,r≧0\displaystyle (x,y)=r(\cos\theta,\sin\theta),\quad0<\theta<\frac\pi2,\quad r\ge0と置ける。円条件はr2−2rsin⁡θ≦0r^2-2r\sin\theta\le0、従って0≦r≦2sin⁡θ0\le r\le2\sin\theta。半平面条件はr≧acos⁡θ\displaystyle r\ge\frac{a}{\cos\theta}なので、許される場合の線分長はL(θ)=2sin⁡θ−acos⁡θ\displaystyle L(\theta)=2\sin\theta-\frac{a}{\cos\theta}。F(θ)=2cos⁡3θ−asin⁡θF(\theta)=2\cos^3\theta-a\sin\thetaとするとL′(θ)=F(θ)cos⁡2θ\displaystyle L'(\theta)=\frac{F(\theta)}{\cos^2\theta}、F′(θ)=−6cos⁡2θsin⁡θ−acos⁡θ<0F'(\theta)=-6\cos^2\theta\sin\theta-a\cos\theta<0で、Fは2から−aへ単調減少するため零点は一つだけ。そこでLは最大になる。最大条件2c3=as2c^3=asにc=cosθ,s=sinθを用い、u=c2u=c^2とおくと18u3+u−1=(3u−1)(6u2+2u+1)=018u^3+u-1=(3u-1)(6u^2+2u+1)=0。二次因子は常に正なのでu=13\displaystyle u=\frac13、従ってcos⁡θ=13,sin⁡θ=23\displaystyle \cos\theta=\frac1{\sqrt3},\quad\sin\theta=\sqrt{\frac23}。この候補はacos⁡θ=23<2sin⁡θ\displaystyle \frac{a}{\cos\theta}=\sqrt{\frac23}<2\sin\thetaを満たすので実際にDとの交線分となり、Lmax⁡=223−23=23=63\displaystyle L_{\max}=2\sqrt{\frac23}-\sqrt{\frac23}=\sqrt{\frac23}=\frac{\sqrt6}{3}。

この問題で使う考え方

  • 単位方向ベクトルによる直線の媒介変数表示
  • 円と半平面の不等式から端点・線分長を求める
  • 導関数の符号による最大化
  • 三角比の恒等式を使った臨界条件の代数整理

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