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筑波大学/2003年度

筑波大学 2003年 数学 第7問解答・解説

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1問題

筑波大学2003年度第7問

関数 f(x)f(x) は区間 a≦x≦ba \leq x \leq b で連続であるとする (ただし, a<ba < b)。さらに, f(x)f(x) は a<d<ba < d < b を満たす点 x=dx = d で最小値をとり,

a<x1<x2<dならば f(x1)>f(x2),d<x1<x2<bならばf(x1)<f(x2)\begin{array}{l} a < x _ {1} < x _ {2} < d \quad \text {ならば } \quad f (x _ {1}) > f (x _ {2}), \\ d < x _ {1} < x _ {2} < b \quad \text {ならば} \quad f \left(x _ {1}\right) < f \left(x _ {2}\right) \\ \end{array}

とする。区間の幅を縮小させながら d の値を近似的に計算する。a < s < t < b を満たす s と t に対し,

f(s)>f(t)ならばs<d<b,f(s)≦f(t)ならばa<d≦t\begin{array}{l} f (s) > f (t) \quad \text {ならば} \quad s < d < b, \\ f (s) \leq f (t) \quad \text {ならば} \quad a < d \leq t \\ \end{array}

であることを用い,次のアルゴリズムを作成した。ここで,pは 12<p<1\displaystyle \frac{1}{2}<p<1 を満たす定数,hはh<b-aを満たす十分小さい正の定数とする。

流れ図は「始め」→a,b,p,hを入力→i←0,a₀←a,b₀←b,s₀←a₀+(1−p)(b₀−a₀),t₀←a₀+p(b₀−a₀)→bᵢ−aᵢ<hの順に進む。YESはsᵢを出力→「終わり」、NOはf(sᵢ)>f(tᵢ)の判定に進む。そのYESはaᵢ₊₁←sᵢ,bᵢ₊₁←bᵢ,sᵢ₊₁←tᵢ,tᵢ₊₁←aᵢ₊₁+p(bᵢ₊₁−aᵢ₊₁)、NOはaᵢ₊₁←aᵢ,bᵢ₊₁←tᵢ,tᵢ₊₁←sᵢ,sᵢ₊₁←aᵢ₊₁+(1−p)(bᵢ₊₁−aᵢ₊₁)を実行する。両枝はi←i+1に合流し、左側を回る矢印でbᵢ−aᵢ<hの判定へ戻る。

(1) p=b1−s1b1−a1=t1−a1b1−a1\displaystyle p = \frac{b_{1} - s_{1}}{b_{1} - a_{1}} = \frac{t_{1} - a_{1}}{b_{1} - a_{1}} を満たす p を求めよ。

(2) (1)で求めた p に対して,

p=bi−sibi−ai=ti−aibi−ai\displaystyle p = \frac {b _ {i} - s _ {i}}{b _ {i} - a _ {i}} = \frac {t _ {i} - a _ {i}}{b _ {i} - a _ {i}}

が i = k のとき成り立てば, i=k+1i = k + 1 のときも成り立つことを示せ。

(3) (1)で求めた p に対しアルゴリズムを実行する。 pip^{i} がはじめて hb−a\displaystyle \frac{h}{b-a} より小さくなったとき, sis_{i} が出力されることを示せ。

まずは自分で解いてみましょう。詰まったら「考え方」、解けたら「答え」で確かめられます。

2考え方

考え方を見る解き方の方針だけを確かめる

初回更新の両分岐から黄金比条件を導き、その恒等式を使って区間内の二点の相対位置を帰納的に保つ。区間幅の等比的縮小を停止条件に結び付ける。

3答え

答えを見る自分の答えと照らし合わせる
  • (1)p=5−12.\displaystyle \quad p=\frac{\sqrt5-1}{2}.\qquad (2)p=bi−sibi−ai=ti−aibi−ai (i=k)⟹\displaystyle \quad p=\frac{b_i-s_i}{b_i-a_i}=\frac{t_i-a_i}{b_i-a_i}\space{}(i=k)\Longrightarrow同式が i=k+1i=k+1 でも成立..\qquad (3)pi<hb−a\displaystyle \quad p^i<\frac{h}{b-a} が初めて成り立つとき sis_i を出力する.

4解答

解答を見る途中式つきの解答

(1) L=b−a とおく。初期値は s0=a+(1−p)L, t0=a+pL である。YES枝なら a1=s0, b1=b, s1=t0 なので b1−a1=pL,b1−s1b1−a1=1−pp,t1−a1b1−a1=p.NO枝なら a1=a, b1=t0, t1=s0 なので b1−a1=pL,b1−s1b1−a1=p,t1−a1b1−a1=1−pp.したがって枝によらず、二つの比が等しいための条件は p=1−pp、すなわち p2+p−1=0 である。12<p<1 より p=5−12 を得る。このとき 1−p=p2 かつ 1−pp=p である。(2) wi=bi−ai とする。仮定から si−ai=(1−p)wi, ti−ai=pwi である。YES枝では wi+1=bi−si=pwi, si+1=ti なので bi+1−si+1wi+1=bi−tipwi=1−pp=p. また更新式より ti+1−ai+1=pwi+1 である。NO枝では wi+1=ti−ai=pwi, ti+1=si なので ti+1−ai+1wi+1=si−aipwi=1−pp=p. また更新式より bi+1−si+1=pwi+1 である。したがってどちらの枝でも二つの比はともに p となり、主張が成り立つ。(3) どちらの枝でも wi+1=pwi であり、w0=b−a だから wi=pi(b−a) である。pi が初めて hb−a より小さくなる時点では wi<h となるので、幅の判定がYESとなり si が出力される。それ以前の j では pj≧hb−a なので wj≧h であり、出力判定はYESにならない。\displaystyle \text{(1) }L=b-a\text{ とおく。初期値は }s_0=a+(1-p)L,\ t_0=a+pL\text{ である。}\\\text{YES枝なら }a_1=s_0,\ b_1=b,\ s_1=t_0\text{ なので }b_1-a_1=pL,\quad\frac{b_1-s_1}{b_1-a_1}=\frac{1-p}{p},\quad\frac{t_1-a_1}{b_1-a_1}=p.\\\text{NO枝なら }a_1=a,\ b_1=t_0,\ t_1=s_0\text{ なので }b_1-a_1=pL,\quad\frac{b_1-s_1}{b_1-a_1}=p,\quad\frac{t_1-a_1}{b_1-a_1}=\frac{1-p}{p}.\\\text{したがって枝によらず、二つの比が等しいための条件は }p=\frac{1-p}{p}\text{、すなわち }p^2+p-1=0\text{ である。}\frac12<p<1\text{ より }p=\frac{\sqrt5-1}{2}\text{ を得る。このとき }1-p=p^2\text{ かつ }\frac{1-p}{p}=p\text{ である。}\\\text{(2) }w_i=b_i-a_i\text{ とする。仮定から }s_i-a_i=(1-p)w_i,\ t_i-a_i=pw_i\text{ である。YES枝では }w_{i+1}=b_i-s_i=pw_i,\ s_{i+1}=t_i\text{ なので }\frac{b_{i+1}-s_{i+1}}{w_{i+1}}=\frac{b_i-t_i}{pw_i}=\frac{1-p}{p}=p.\text{ また更新式より }t_{i+1}-a_{i+1}=pw_{i+1}\text{ である。NO枝では }w_{i+1}=t_i-a_i=pw_i,\ t_{i+1}=s_i\text{ なので }\frac{t_{i+1}-a_{i+1}}{w_{i+1}}=\frac{s_i-a_i}{pw_i}=\frac{1-p}{p}=p.\text{ また更新式より }b_{i+1}-s_{i+1}=pw_{i+1}\text{ である。したがってどちらの枝でも二つの比はともに }p\text{ となり、主張が成り立つ。}\\\text{(3) どちらの枝でも }w_{i+1}=pw_i\text{ であり、}w_0=b-a\text{ だから }w_i=p^i(b-a)\text{ である。}p^i\text{ が初めて }\frac{h}{b-a}\text{ より小さくなる時点では }w_i<h\text{ となるので、幅の判定がYESとなり }s_i\text{ が出力される。それ以前の }j\text{ では }p^j\geq\frac{h}{b-a}\text{ なので }w_j\geq h\text{ であり、出力判定はYESにならない。}

この問題で使う考え方

  • 二次方程式とグラフ
  • 等比数列の一般項と和
  • 数学的帰納法

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