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筑波大学/2013年度

筑波大学 2013年 数学 第5問解答・解説

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1問題

筑波大学2013年度第5問

2 次の正方行列 A=(abcd)A=\begin{pmatrix}a&b\\c&d\end{pmatrix} について以下の問いに答えよ。ただし,a, b, c, d は実数とする。

(1) A2=(0110)A^{2}=\begin{pmatrix}0&1\\1&0\end{pmatrix} を満たすAは存在しないことを示せ。

(2) A2=(01−10)A^{2}=\begin{pmatrix}0&1\\-1&0\end{pmatrix} を満たす A をすべて求めよ。

(3) (2)で求めた A のそれぞれについて A+A2+A3+⋯+A2013A + A^{2} + A^{3} + \cdots + A^{2013} を求めよ。

まずは自分で解いてみましょう。詰まったら「考え方」、解けたら「答え」で確かめられます。

2答え

答えを見る自分の答えと照らし合わせる
  • (1) 存在しない.
    (2) A=±12(11−11).\displaystyle (2)\space{}A=\pm\frac1{\sqrt2}\begin{pmatrix}1&1\\-1&1\end{pmatrix}.
    (3) ∑k=12013Ak={(1+12)(−11−1−1),A=12(11−11),(1−12)(−11−1−1),A=−12(11−11).\displaystyle (3)\space{}\sum\limits _{k=1}^{2013}A^k=\begin{cases}\left(1+\frac1{\sqrt2}\right)\begin{pmatrix}-1&1\\-1&-1\end{pmatrix},&A=\frac1{\sqrt2}\begin{pmatrix}1&1\\-1&1\end{pmatrix},\\[4pt]\left(1-\frac1{\sqrt2}\right)\begin{pmatrix}-1&1\\-1&-1\end{pmatrix},&A=-\frac1{\sqrt2}\begin{pmatrix}1&1\\-1&1\end{pmatrix}.\end{cases}

3解答

解答を見る途中式つきの解答

(1) S=(0110)S=\begin{pmatrix}0&1\\1&0\end{pmatrix} とする。もし A2=SA^2=S ならば AS=A3=SAAS=A^3=SA だから AA は SS と可換である。A=(abcd)A=\begin{pmatrix}a&b\\c&d\end{pmatrix} とおいて AS=SAAS=SA を比較すると a=d,b=ca=d, b=c となり、A=(abba)A=\begin{pmatrix}a&b\\b&a\end{pmatrix}。よって A2=(a2+b22ab2aba2+b2).A^2=\begin{pmatrix}a^2+b^2&2ab\\2ab&a^2+b^2\end{pmatrix}. これが SS に等しいなら a2+b2=0a^2+b^2=0 かつ 2ab=12ab=1 となる。しかし実数 a,ba,b で前者から a=b=0a=b=0 となり後者に矛盾する。したがってそのような AA は存在しない。

(2) J=(01−10)J=\begin{pmatrix}0&1\\-1&0\end{pmatrix} とする。A2=JA^2=J として積を計算すると A2=(a2+bcb(a+d)c(a+d)d2+bc)=J.A^2=\begin{pmatrix}a^2+bc&b(a+d)\\c(a+d)&d^2+bc\end{pmatrix}=J. s=a+ds=a+d とおくと bs=1,cs=−1bs=1, cs=-1 なので s≠0,b=1/s,c=−1/ss\ne0, b=1/s, c=-1/s。対角成分より a2=d2a^2=d^2、すなわち (a−d)(a+d)=0(a-d)(a+d)=0 であるから、s≠0s\ne0 を用いて a=da=d を得る。従って s=2as=2a、a≠0a\ne0、b=1/(2a),c=−1/(2a)b=1/(2a), c=-1/(2a)。再び対角成分を用いると a2−14a2=0よりa2=12.\displaystyle a^2-\frac1{4a^2}=0\quad\text{より}\quad a^2=\frac12. よって a=d=±1/2,b=a,c=−aa=d=\pm1/\sqrt2, b=a, c=-a。この2つは A=±12(11−11)\displaystyle A=\pm\frac1{\sqrt2}\begin{pmatrix}1&1\\-1&1\end{pmatrix} であり、(11−11)2=2J\left(\begin{smallmatrix}1&1\\-1&1\end{smallmatrix}\right)^2=2J から実際に A2=JA^2=J を満たす。

(3) 以後 A2=JA^2=J とする。J2=−IJ^2=-I より A4=−I,A8=IA^4=-I, A^8=I。また A5=−A,A6=−A2,A7=−A3,A8=IA^5=-A,\quad A^6=-A^2,\quad A^7=-A^3,\quad A^8=I だから A+A2+⋯+A8=0A+A^2+\cdots+A^8=0。2013=8⋅251+52013=8\cdot251+5 より、251個の8項周期ブロックはすべて和が0であり、残る和は ∑k=12013Ak=A+A2+A3+A4+A5=J−I+AJ.\displaystyle \sum\limits _{k=1}^{2013}A^k=A+A^2+A^3+A^4+A^5=J-I+AJ. ここで A+=I+J2\displaystyle A_+=\frac{I+J}{\sqrt2}、A−=−I+J2\displaystyle A_-=-\frac{I+J}{\sqrt2} と書けるので、A±J=±J−I2\displaystyle A_\pm J=\pm\frac{J-I}{\sqrt2}。従って ∑k=12013A±k=(1±12)(J−I)=(1±12)(−11−1−1).\displaystyle \sum\limits _{k=1}^{2013}A_\pm^k=\left(1\pm\frac1{\sqrt2}\right)(J-I) =\left(1\pm\frac1{\sqrt2}\right)\begin{pmatrix}-1&1\\-1&-1\end{pmatrix}.

この問題で使う考え方

  • 行列を用いた表現

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