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筑波大学/2026年度

筑波大学 2026年 数学 第4問解答・解説

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1問題

筑波大学2026年度第4問

iを虚数単位とする。複素数平面の原点Oを中心とする半径1の円をCとする。

(1) C 上の点 z1z_{1} , z2z_{2} , z3z_{3} に対し, zn=cos⁡θn+isin⁡θn(n=1,2,3)z_{n} = \cos \theta_{n} + i \sin \theta_{n} (n = 1, 2, 3) とおく。 ただし, θn\theta_{n} は実数である。このとき

∣1z1+1z2+1z3∣2=3+2{cos⁡(θ1−θ2)+cos⁡(θ2−θ3)+cos⁡(θ3−θ1)}\displaystyle \left| \frac {1}{z _ {1}} + \frac {1}{z _ {2}} + \frac {1}{z _ {3}} \right| ^ {2} = 3 + 2 \left\{\cos \left(\theta_ {1} - \theta_ {2}\right) + \cos \left(\theta_ {2} - \theta_ {3}\right) + \cos \left(\theta_ {3} - \theta_ {1}\right) \right\}

が成り立つことを示せ。

(2) 点 w が C 上を動くとき, ∣1w+1w2+1w3∣\displaystyle \left|\frac{1}{w}+\frac{1}{w^{2}}+\frac{1}{w^{3}}\right| の最大値と最小値を求め, 最大値と最小値を与える w をそれぞれ求めよ。

(3) 点 z が C 上を動くとき, ∣1+1z5+1z10∣\displaystyle \left|1 + \frac{1}{z^{5}} + \frac{1}{z^{10}}\right| を最小にする z の個数を求めよ。

まずは自分で解いてみましょう。詰まったら「考え方」、解けたら「答え」で確かめられます。

2答え

答えを見る自分の答えと照らし合わせる
  • (1) 指定の等式が成り立つ。(2) 最大値 3\quad 3\quad (w=1\quad w=1\quad )、最小値 0\quad 0\quad (w=−12±32i\displaystyle \quad w=-\frac12\pm\frac{\sqrt3}{2}i\quad )。(3) 最小値を与える z\quad z\quad は 10\quad 10\quad 個。

3解答

解答を見る途中式つきの解答

単位円上の複素数は z=cos⁡θ+isin⁡θz=\cos\theta+i\sin\theta と表せる。以下では eiθe^{i\theta} はこの表示 cos⁡θ+isin⁡θ\cos\theta+i\sin\theta の略記として用いる。べき乗にはド・モアブルの定理を用いる。

(1) ∣zj∣=1|z_j|=1 より zj−1=e−iθj=cos⁡θj−isin⁡θjz_j^{-1}=e^{-i\theta_j}=\cos\theta_j-i\sin\theta_j であるから ∣∑j=13zj−1∣2=(∑j=13e−iθj)(∑k=13eiθk)=3+∑j<k(ei(θj−θk)+e−i(θj−θk))=3+2{cos⁡(θ1−θ2)+cos⁡(θ2−θ3)+cos⁡(θ3−θ1)}.\displaystyle \begin{aligned} \left|\sum\limits _{j=1}^3z_j^{-1}\right|^2 &=\left(\sum\limits _{j=1}^3e^{-i\theta_j}\right)\left(\sum\limits _{k=1}^3e^{i\theta_k}\right)\\ &=3+\sum\limits _{j<k}\left(e^{i(\theta_j-\theta_k)}+e^{-i(\theta_j-\theta_k)}\right)\\ &=3+2\{\cos(\theta_1-\theta_2)+\cos(\theta_2-\theta_3)+\cos(\theta_3-\theta_1)\}. \end{aligned}

(2) w=cos⁡φ+isin⁡φw=\cos\varphi+i\sin\varphi とおく。略記 w=eiφw=e^{i\varphi} を使えば w−1+w−2+w−3=w−2(w+1+w−1)=w−2(1+2cos⁡φ).w^{-1}+w^{-2}+w^{-3}=w^{-2}(w+1+w^{-1})=w^{-2}(1+2\cos\varphi). ∣w−2∣=1|w^{-2}|=1 なので求める絶対値は ∣1+2cos⁡φ∣|1+2\cos\varphi|。−1≦cos⁡φ≦1-1\leq\cos\varphi\leq1 より最大値は 33 で w=1w=1 のとき、最小値は 00 で cos⁡φ=−1/2\cos\varphi=-1/2、すなわち w=−12±32i\displaystyle w=-\frac12\pm\frac{\sqrt3}{2}i のときに達する。

(3) z=cos⁡θ+isin⁡θz=\cos\theta+i\sin\theta とし、ド・モアブルの定理により u=z−5=cos⁡5θ−isin⁡5θu=z^{-5}=\cos5\theta-i\sin5\theta とおくと 1+u+u2=u(1+u+u−1)=u(1+2cos⁡5θ).1+u+u^2=u(1+u+u^{-1})=u(1+2\cos5\theta). よって ∣1+z−5+z−10∣=∣1+2cos⁡5θ∣|1+z^{-5}+z^{-10}|=|1+2\cos5\theta|。最小値は 00 で、これは 5θ≡2π/3または5θ≡4π/3(mod2π)5\theta\equiv2\pi/3\quad\text{または}\quad5\theta\equiv4\pi/3\pmod{2\pi} のときに限る。0≦θ<2π0\leq\theta<2\pi では各合同式に5解ずつあり、二つの解集合は交わらない。よって最小値を与える zz は合計 1010 個である。

単位円上の複素数をz=cos⁡θ+isin⁡θz=\cos\theta+i\sin\thetaと表し、eiθe^{i\theta}はこの表示の略記として用いる。べき乗はド・モアブルの定理で扱う。(1) ∣zj∣=1|z_j|=1からzj−1=zj‾z_j^{-1}=\overline{z_j}。展開すると対角項は3、各j<kj<kの交差項は2cos⁡(θj−θk)2\cos(\theta_j-\theta_k)。(2) w=eiφw=e^{i\varphi}とおけば和はw−2(1+2cos⁡φ)w^{-2}(1+2\cos\varphi)で、その絶対値は∣1+2cos⁡φ∣|1+2\cos\varphi|。よって最大3はw=1w=1、最小0はw=−12±32i\displaystyle w=-\frac12\pm\frac{\sqrt3}{2}i。(3) u=z−5u=z^{-5}とおくと∣1+u+u2∣=∣1+2cos⁡5θ∣|1+u+u^2|=|1+2\cos5\theta|。零点条件は5θ≡2π3 または 4π3(mod2π)\displaystyle 5\theta\equiv\frac{2\pi}{3}\text{ または }\frac{4\pi}{3}\pmod{2\pi}。各条件は一周で5解ずつ、互いに重ならず、合計10個。

この問題で使う考え方

  • 共役と絶対値二乗の展開
  • 極形式
  • ド・モアブルの定理

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