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愛媛大学/2016年度/前期

愛媛大学 2016年 数学 第10問解答・解説

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1問題

愛媛大学2016年度第10問

(医学部) 正方形 ABCDABCD の内部の点 PP に対して ∠CPD\angle CPD が直角であるとき、BPAP\displaystyle \frac{BP}{AP} の最大値を求めよ。

まずは自分で解いてみましょう。詰まったら「考え方」、解けたら「答え」で確かめられます。

2答え

答えを見る自分の答えと照らし合わせる
  • BPAP\displaystyle \dfrac{BP}{AP}\quad の最大値は 1+52\displaystyle \quad \dfrac{1+\sqrt{5}}{2}\quad である。

3解答

解答を見る途中式つきの解答

正方形 ABCDABCD の一辺の長さを aa とする。BPAP\displaystyle \dfrac{BP}{AP} は長さの比であり aa の値によらないので、以下 a=1a=1 として一般性を失わない。

座標を A(0,0), B(1,0), C(1,1), D(0,1)A(0,0),\ B(1,0),\ C(1,1),\ D(0,1) とし、正方形内部の点を P(x,y)P(x,y)(0<x<1, 0<y<10<x<1,\ 0<y<1)とする。

(1) 条件 ∠CPD=90∘\angle CPD=90^\circ の言い換え

三角形 CPDCPD において ∠CPD=90∘\angle CPD=90^\circ であることは、三平方の定理(およびその逆)によりPC2+PD2=CD2=1PC^2+PD^2=CD^2=1と同値である。PC2=(1−x)2+(1−y)2, PD2=x2+(1−y)2PC^2=(1-x)^2+(1-y)^2,\ PD^2=x^2+(1-y)^2 なので(1−x)2+(1−y)2+x2+(1−y)2=1.(1-x)^2+(1-y)^2+x^2+(1-y)^2=1.左辺を整理するとx2−x+y2−2y+1=0であるための必要十分条件は(x−12)2+(y−1)2=14.(∗)\displaystyle x^2-x+y^2-2y+1=0\text{であるための必要十分条件は} \left(x-\frac12\right)^2+(y-1)^2=\frac14.\qquad(\ast)これは中心 (12,1)\displaystyle \left(\dfrac12,1\right)、半径 12\displaystyle \dfrac12 の円であり、線分 CDCD を直径とする円に一致する。

PP は正方形内部の点だから y<1y<1 である必要があり、逆に (∗)(\ast) 上で y<1y<1(かつ C,DC,D 自身を除く)を満たす点は、xx の範囲が自動的に 0≦x≦10\le x\le1 に収まるので、すべて正方形内部の点になる(C=(1,1),D=(0,1)C=(1,1),D=(0,1) がちょうど y=1y=1 の端点にあたる)。したがって PP の動く範囲は円 (∗)(\ast) の下半円(C,DC,D を除く弧)である。

(2) t=(BPAP)2\displaystyle t=\left(\dfrac{BP}{AP}\right)^2 とおいて直線の方程式を作る

AP2=x2+y2, BP2=(x−1)2+y2=x2−2x+1+y2AP^2=x^2+y^2,\ BP^2=(x-1)^2+y^2=x^2-2x+1+y^2 である。(∗)(\ast) を展開して得られる x2+y2=x+2y−1x^2+y^2=x+2y-1 を用いるとAP2=x+2y−1,BP2=(x+2y−1)−2x+1=−x+2yAP^2=x+2y-1,\qquad BP^2=(x+2y-1)-2x+1=-x+2y(検算:AP2,BP2AP^2,BP^2 をそれぞれ直接展開しても同じ式になることを確認済み)。

t=BP2AP2>0\displaystyle t=\dfrac{BP^2}{AP^2}>0 とおくと BP2=t AP2BP^2=t\,AP^2 より−x+2y=t(x+2y−1)であるための必要十分条件は(t+1)x+2(t−1)y−t=0.(∗∗)-x+2y=t(x+2y-1)\text{であるための必要十分条件は} (t+1)x+2(t-1)y-t=0.\qquad(\ast\ast)tt を固定するごとに (∗∗)(\ast\ast) は (x,y)(x,y) 平面上の直線を表す。PP が実在するための条件は、この直線が円 (∗)(\ast) と共有点をもつこと、すなわち円の中心 (12,1)\displaystyle \left(\dfrac12,1\right) から直線 (∗∗)(\ast\ast) までの距離が半径 12\displaystyle \dfrac12 以下であることである。

(3) 点と直線の距離条件

距離は∣(t+1)⋅12+2(t−1)⋅1−t∣(t+1)2+4(t−1)2≦12\displaystyle \frac{\left|(t+1)\cdot\frac12+2(t-1)\cdot1-t\right|}{\sqrt{(t+1)^2+4(t-1)^2}}\le\frac12であり、分子の絶対値の中はt+12+2(t−1)−t=t+12+t−2=t+1+2t−42=3(t−1)2\displaystyle \frac{t+1}{2}+2(t-1)-t=\frac{t+1}{2}+t-2=\frac{t+1+2t-4}{2}=\frac{3(t-1)}{2}なので3∣t−1∣2≦12(t+1)2+4(t−1)2.\displaystyle \frac{3|t-1|}{2}\le\frac12\sqrt{(t+1)^2+4(t-1)^2}.両辺とも非負なので2乗して9(t−1)2≦(t+1)2+4(t−1)2であるための必要十分条件は5(t−1)2≦(t+1)2.9(t-1)^2\le(t+1)^2+4(t-1)^2\text{であるための必要十分条件は} 5(t-1)^2\le(t+1)^2.両辺の平方根をとる(t>0t>0 より t+1>0t+1>0)と5 ∣t−1∣≦t+1.\sqrt5\,|t-1|\le t+1.

(4) 場合分けで tt の範囲を求める

(i) t≧1t\ge1 のとき:5(t−1)≦t+1であるための必要十分条件は(5−1)t≦1+5、すなわちt≦1+55−1=(1+5)(5+1)4=6+254=3+52.\displaystyle \sqrt5(t-1)\le t+1\text{であるための必要十分条件は}(\sqrt5-1)t\le1+\sqrt5\text{、すなわち} t\le\frac{1+\sqrt5}{\sqrt5-1}=\frac{(1+\sqrt5)(\sqrt5+1)}{4}=\frac{6+2\sqrt5}{4}=\frac{3+\sqrt5}{2}.

(ii) t<1t<1 のとき:5(1−t)≦t+1であるための必要十分条件は5−1≦(1+5)t、すなわちt≧5−15+1=(5−1)24=6−254=3−52.\displaystyle \sqrt5(1-t)\le t+1\text{であるための必要十分条件は}\sqrt5-1\le(1+\sqrt5)t\text{、すなわち} t\ge\frac{\sqrt5-1}{\sqrt5+1}=\frac{(\sqrt5-1)^2}{4}=\frac{6-2\sqrt5}{4}=\frac{3-\sqrt5}{2}.

以上をまとめると3−52≦t≦3+52.\displaystyle \frac{3-\sqrt5}{2}\le t\le\frac{3+\sqrt5}{2}.

(5) 最大値の確認(等号成立の検算)

t=3+52\displaystyle t=\dfrac{3+\sqrt5}{2}(等号)のとき直線 (∗∗)(\ast\ast) は円 (∗)(\ast) に接する。接点を計算すると(x,y)=(3−56, 23)\displaystyle (x,y)=\left(\frac{3-\sqrt5}{6},\ \frac23\right)となり、0<x<1, 0<y=23<1\displaystyle 0<x<1,\ 0<y=\dfrac23<1 を満たすので、C,DC,D とは異なる正方形内部の点として妥当である。

検算として、この点で実際に ∠CPD=90∘\angle CPD=90^\circ となることを直接確かめる。C=(1,1),D=(0,1)C=(1,1),D=(0,1) に対しPC→=(3+56, 13),PD→=(−3−56, 13)\displaystyle \overrightarrow{PC}=\left(\frac{3+\sqrt5}{6},\ \frac13\right),\qquad \overrightarrow{PD}=\left(-\frac{3-\sqrt5}{6},\ \frac13\right)であり、内積は−(3+5)(3−5)36+19=−9−536+436=0\displaystyle -\frac{(3+\sqrt5)(3-\sqrt5)}{36}+\frac19=-\frac{9-5}{36}+\frac{4}{36}=0となって直交が確認できる。また、この点で AP2=x+2y−1=3−56+43−1=3−5+8−66=5−56\displaystyle AP^2=x+2y-1=\dfrac{3-\sqrt5}{6}+\dfrac43-1=\dfrac{3-\sqrt5+8-6}{6}=\dfrac{5-\sqrt5}{6}、BP2=t⋅AP2=3+52⋅5−56=(3+5)(5−5)12=15−35+55−512=10+2512=5+56\displaystyle BP^2=t\cdot AP^2=\dfrac{3+\sqrt5}{2}\cdot\dfrac{5-\sqrt5}{6}=\dfrac{(3+\sqrt5)(5-\sqrt5)}{12}=\dfrac{15-3\sqrt5+5\sqrt5-5}{12}=\dfrac{10+2\sqrt5}{12}=\dfrac{5+\sqrt5}{6} となり、BP2AP2=5+55−5=(5+5)220=30+10520=3+52=t\displaystyle \dfrac{BP^2}{AP^2}=\dfrac{5+\sqrt5}{5-\sqrt5}=\dfrac{(5+\sqrt5)^2}{20}=\dfrac{30+10\sqrt5}{20}=\dfrac{3+\sqrt5}{2}=t で一致することも確認できる。

さらに(1+52)2=1+25+54=6+254=3+52\displaystyle \left(\frac{1+\sqrt5}{2}\right)^2=\frac{1+2\sqrt5+5}{4}=\frac{6+2\sqrt5}{4}=\frac{3+\sqrt5}{2}なので、AP>0, BP>0AP>0,\ BP>0 であることと合わせて(BPAP)max⁡=3+52=1+52\displaystyle \left(\frac{BP}{AP}\right)_{\max}=\sqrt{\frac{3+\sqrt5}{2}}=\frac{1+\sqrt5}{2}である(これは黄金比 φ\varphi に一致する)。なお境界(P→DP\to D または P→CP\to C)での極限値はそれぞれ 2≈1.414\sqrt2\approx1.414、12≈0.707\displaystyle \dfrac{1}{\sqrt2}\approx0.707 であり、いずれも 1+52≈1.618\displaystyle \dfrac{1+\sqrt5}{2}\approx1.618 より小さいので、この最大値は弧の内部(C,DC,D を除く実現可能な点)で達成される真の最大値である。

この問題で使う考え方

  • 円の方程式
  • 直線の方程式
  • 軌跡
  • 座標による距離

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