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千葉大学/2001年度

千葉大学 2001年 数学 第10問解答・解説

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1問題

千葉大学2001年度第10問

- [ア] i を虚数単位とし, 複素数 z に共役な複素数を zˉ\bar{z} で表す。

(1) a を実数の定数とする。条件

1−z‾=(a+i)(z−z‾)1 - \overline {{z}} = (a + i) (z - \overline {{z}})

を満たす複素数平面上の点 z の全体が直線であるとき, a の値を求めよ。

(2) 実軸上にない複素数 α\alpha に対して, 3 点 0, 1, α\alpha を通る複素数平面上の円の中心を β\beta とする。このとき, β\beta を α\alpha と α‾\overline{\alpha} を用いて表せ。

(3) α, β を (2) の複素数とする。点 α が (1) の直線上を動くとき, βα\displaystyle \frac{\beta}{\alpha} は一定であることを証明せよ。

10 - [イ] 正の整数 x と y が与えられたとき, 以下の手順による計算を行う。

1. n ← x, m ← y, q ← 0

2. m > 0 かつ q ≦ 2 を満たしている限り, 次の計算を繰り返し実行する。ただし, n を m で割った商を n div m, 余りを n mod m で表す。

2-1. q ←\leftarrow n div m, r ←\leftarrow n mod m

2-2. n←m,m←r\mathrm{n}\leftarrow \mathrm{m},\quad \mathrm{m}\leftarrow \mathrm{r}

3. q > 2 ならば 0 を,そうでなければ n の値を出力する。

この手順に関して,以下の問いに答えよ。

(1) x を 95, y を 35 としたとき, 手順 2 の各繰り返しにおいて 2-1 を実行する直前での変数 n, m, q の値の変化を示す表を作成し, 手順 3 で出力される数を示せ。

(2) 変数 n, m の値をそれぞれ x2x_{2} , x1x_{1} とし, その状態で 2-1 と 2-2 を続けて実行したところ, 変数 m, q の値がそれぞれ x0x_{0} , z になったとする。このとき, x2x_{2} を x1x_{1} , x0x_{0} , z を使って表せ。

(3) x と y の両方が200以上でかつ出力が7になるような x と y を1組あげ, その組について(1)と同様の表を作成せよ。

10 - [ウ] 2つの野球チーム A, B が繰り返し試合を行う。各試合において, A が勝つ確率を p, B が勝つ確率を q = 1 - p とする。ただし 0 < p < 1 とする。

(1) p=12\displaystyle p = \frac{1}{2} とする。A, B どちらかが4勝するまでに行う試合数を表す確率変数を X とする。X の確率分布を求めよ。

(2) B より先に A が n 勝する確率を P(n)P(n) とする。 P(3)P(3) と P(4)P(4) の大小を比較せよ。

まずは自分で解いてみましょう。詰まったら「考え方」、解けたら「答え」で確かめられます。

2考え方

考え方を見る解き方の方針だけを確かめる

複素数を直交座標と共役式で扱い、ユークリッド互除法の各状態を追跡し、試合の勝敗列を組合せで数えて確率を比較する。

3答え

答えを見る自分の答えと照らし合わせる
  • [ア](1) a=12,(2) β=α(α‾−1)α‾−α,(3) βα=12+i.[イ](1) (n,m,q)=(95,35,0),(35,25,2),(25,10,1),(10,5,2) (各回の実行直前),出力 5.(2) x2=zx1+x0,(3) (x,y)=(693,490) なら出力 7.[ウ](1) Pr⁡(X=4,5,6,7)=(18,14,516,516).(2) P(4)−P(3)=10p3q3(p−q); P(4)≷P(3) ⟺ p≷12,P(4)=P(3) if p=12.\displaystyle \begin{aligned} &\text{[ア](1)}\space{}a=\frac12,\qquad \text{(2)}\space{}\beta=\frac{\alpha(\overline{\alpha}-1)}{\overline{\alpha}-\alpha},\qquad \text{(3)}\space{}\frac{\beta}{\alpha}=\frac12+i.\\ &\text{[イ](1)}\space{}(n,m,q)=(95,35,0),(35,25,2),(25,10,1),(10,5,2)\space{}\text{(各回の実行直前)},\quad\text{出力 }5.\\ &\text{(2)}\space{}x_2=zx_1+x_0,\qquad \text{(3)}\space{}(x,y)=(693,490)\space{}\text{なら出力 }7.\\ &\text{[ウ](1)}\space{}\Pr(X=4,5,6,7)=\left(\frac18,\frac14,\frac5{16},\frac5{16}\right).\\ &\text{(2)}\space{}P(4)-P(3)=10p^3q^3(p-q); \space{}P(4)\gtrless P(3)\space{}\Longleftrightarrow\space{}p\gtrless\frac12,\quad P(4)=P(3)\space{}\text{if }p=\frac12. \end{aligned}

4解答

解答を見る途中式つきの解答

[ア](1) x,yx,y を実数として z=x+iyz=x+iy とおくと, 1−z‾=1−x+iy,(a+i)(z−z‾)=(a+i)2iy=−2y+2aiy.1-\overline z=1-x+iy,\qquad (a+i)(z-\overline z)=(a+i)2iy=-2y+2aiy. よって実部・虚部の比較から x−2y=1,(1−2a)y=0.x-2y=1,\qquad (1-2a)y=0. a=12\displaystyle a=\frac12なら第2式は常に成立し,解集合は直線x−2y=1x-2y=1である。a≠12\displaystyle a\ne\frac12ならy=0,x=1y=0,x=1となり一点だけである。したがってa=12\displaystyle a=\frac12。

[ア](2) 円の中心β\betaは0,10,1から等距離なのでβ+β‾=1\beta+\overline\beta=1である。また0,α0,\alphaから等距離より ∣β∣2=∣β−α∣2よりβα‾+αβ‾=αα‾.|\beta|^2=|\beta-\alpha|^2 \quad\text{より}\quad \beta\overline\alpha+\alpha\overline\beta=\alpha\overline\alpha. β‾=1−β\overline\beta=1-\betaを代入すると β(α‾−α)=α(α‾−1).\beta(\overline\alpha-\alpha)=\alpha(\overline\alpha-1). α\alphaは実軸上にないからα‾−α≠0\overline\alpha-\alpha\ne0であり, β=α(α‾−1)α‾−α.\displaystyle \boxed{\displaystyle\beta=\frac{\alpha(\overline\alpha-1)}{\overline\alpha-\alpha}}.

[ア](3) (1)の直線上の点をα=x+iy\alpha=x+iyとするとx−2y=1x-2y=1より α=1+(2+i)t\alpha=1+(2+i)t(tt は実数)と書ける。(2)より βα=α‾−1α‾−α=(2−i)t−2it=12+i.\displaystyle \frac{\beta}{\alpha} =\frac{\overline\alpha-1}{\overline\alpha-\alpha} =\frac{(2-i)t}{-2it} =\frac12+i. ここでα\alphaは実軸上にないのでt≠0t\ne0である。よって比は一定である。

[イ](1) 各回の2-1実行直前の値と、その回の商・余りは次のとおり。 回nmq (直前)商 q余り r195350225235252110325101254105220\begin{array}{c|r|r|r|r|r} \text{回}&n&m&q\ (\text{直前})&\text{商 }q&\text{余り }r\\ \hline 1&95&35&0&2&25\\ 2&35&25&2&1&10\\ 3&25&10&1&2&5\\ 4&10&5&2&2&0 \end{array} 最後はn=5,m=0,q=2n=5,m=0,q=2となるので,手順3の出力は5\boxed{5}。

[イ](2) 2-1で商q=zq=z,余りをx0x_0とし,2-2の後にm=x0m=x_0となる。したがって x2=zx1+x0,x2=zx1+x0.x_2=zx_1+x_0,\qquad\boxed{x_2=zx_1+x_0}.

[イ](3) x=693,y=490x=693,y=490を選ぶ。どちらも200以上であり,計算表は 回nmq (直前)商 q余り r169349001203249020312843203842235484352214535142276147220\begin{array}{c|r|r|r|r|r} \text{回}&n&m&q\ (\text{直前})&\text{商 }q&\text{余り }r\\ \hline 1&693&490&0&1&203\\ 2&490&203&1&2&84\\ 3&203&84&2&2&35\\ 4&84&35&2&2&14\\ 5&35&14&2&2&7\\ 6&14&7&2&2&0 \end{array} 各商は2以下で,終了時はn=7,m=0,q=2n=7,m=0,q=2だから出力は7\boxed{7}。

[ウ](1) 試合数が4,5,6,74,5,6,7となる確率を数える。4試合なら一方が4連勝する。5試合なら勝者が最初の4試合で3勝し,最後に勝つ。6試合なら最初の5試合で勝者が3勝・敗者が2勝し,最後に勝つ。7試合なら最初の6試合が3勝ずつに分かれ,最後にどちらかが勝つ。各試合の確率は1/21/2なので Pr⁡(X=4)=224=18,Pr⁡(X=5)=2(43)25=14,Pr⁡(X=6)=2(53)26=516,Pr⁡(X=7)=2(63)27=516.\displaystyle \begin{aligned} \Pr(X=4)&=\frac{2}{2^4}=\frac18,\\ \Pr(X=5)&=\frac{2\binom43}{2^5}=\frac14,\\ \Pr(X=6)&=\frac{2\binom53}{2^6}=\frac5{16},\\ \Pr(X=7)&=\frac{2\binom63}{2^7}=\frac5{16}. \end{aligned} これがXXの確率分布である。

[ウ](2) Aが先にnn勝するには,最後の1試合でAがnn勝目を挙げ,それ以前にAがn−1n-1勝,Bがkk勝(0≦k≦n−10\le k\le n-1)している。よって P(n)=∑k=0n−1(n+k−1k)pnqk.\displaystyle P(n)=\sum\limits _{k=0}^{n-1}\binom{n+k-1}{k}p^nq^k. したがって P(3)=p3(1+3q+6q2),P(4)=p4(1+4q+10q2+20q3).P(3)=p^3(1+3q+6q^2),\qquad P(4)=p^4(1+4q+10q^2+20q^3). q=1−pq=1-pを用いて差を整理すると P(4)−P(3)=p3[p(1+4q+10q2+20q3)−(1+3q+6q2)]=10p3q3(p−q).P(4)-P(3) =p^3\left[p(1+4q+10q^2+20q^3)-(1+3q+6q^2)\right] =10p^3q^3(p-q). p,q>0p,q>0かつp+q=1p+q=1より,p>12\displaystyle p>\frac12ならP(4)>P(3)P(4)>P(3),p<12\displaystyle p<\frac12ならP(4)<P(3)P(4)<P(3),p=12\displaystyle p=\frac12なら等しい。

この問題で使う考え方

  • 複素数平面
  • ユークリッドの互除法
  • 組合せ
  • 確率の基本法則
  • 確率変数と確率分布

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