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千葉大学/2003年度

千葉大学 2003年 数学 第12問解答・解説

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1問題

千葉大学2003年度第12問

- [ア] 配列 (添え字付き変数) a において, a[1], a[2], ..., a[n] には異なる整数の値が小さい順に入っている。このとき, 次頁の流れ図は値 b が

a[1],a[2],…,a[n]a [ 1 ], a [ 2 ], \dots , a [ n ]

の中に現れるかどうかを判定し, 現れたら b = a[m] となる m を返し, 現われなければ 0 を返すプログラムに対応している。そのプログラムについて以下の問いに答えよ。ただし, (h+l)(h + l) div 2 は h+lh + l を 2 で割った商の整数部分を表している。

流れ図は「始め」からl←1、h←n、k←1を実行し、黒点Aを通ってl=hを判定する。Yesはb=a[l]へ進み、そのYesはm←l、Noはm←0を実行して、どちらも「終り」へ進む。l=hのNoはm←(h+l) div 2を実行し、b≤a[m]を判定して、Yesはh←m、Noはl←m+1へ進む。両枝はk←k+1へ合流し、左側を回る矢印でAの直前に戻る。

(1) n = 16 とし, a[5] < b < a[6] であったとする。このプログラムの実行開始から終了までの, 流れ図中の A 点における k, l, h の値の表を作成せよ。

(2) ある自然数 p に対して n=2pn = 2^{p} と表せるとき, A 点で成立している k, l, h, p の関係式を求め, プログラムが終了したときの k を p を使って表せ。ただし, 証明は述べなくてよい。

12 - [イ] R を平面上の凸 6 角形とし, その頂点を順に A, B, C, D, E, F とする。 a⃗=AB→,b⃗=BC→,c⃗=CD→\vec{a}=\overrightarrow{AB},\quad\vec{b}=\overrightarrow{BC},\quad\vec{c}=\overrightarrow{CD} とおく。

R が ED→=a→\overrightarrow{ED} = \overrightarrow{a} , FE→=b→\overrightarrow{FE} = \overrightarrow{b} を満たすとする。

(1) AF→=c→\overrightarrow{AF} = \overrightarrow{c} であることを示せ。

(2) 三角形 ACE と三角形 BDF の重心が一致するとき, a⃗\vec{a} , b⃗\vec{b} , c⃗\vec{c} の間の関係を求めよ。

(3) R が (2) の条件を満たし, さらに内積に関して a⃗⋅b⃗=4\vec{a} \cdot \vec{b} = 4, b⃗⋅c⃗=1\vec{b} \cdot \vec{c} = 1, a⃗⋅c⃗=−1\vec{a} \cdot \vec{c} = -1 を満たすとき, R の面積を求めよ。

まずは自分で解いてみましょう。詰まったら「考え方」、解けたら「答え」で確かめられます。

2答え

答えを見る自分の答えと照らし合わせる
  • [ア](1)klhA11116A2218A3358A4456A5566;[](1)\quad\begin{array}{c|ccc} &k&l&h\\\hline A_1&1&1&16\\A_2&2&1&8\\A_3&3&5&8\\A_4&4&5&6\\A_5&5&6&6\end{array};\quad [ア](2) h−l+1=2p−k+1, kend=p+1;[](2)\space{}h-l+1=2^{p-k+1},\space{}k_{\mathrm{end}}=p+1;\quad [イ](1) AF→=c⃗;[](1)\space{}\overrightarrow{AF}=\vec c;\quad [イ](2) b⃗=a⃗+c⃗;[](2)\space{}\vec b=\vec a+\vec c;\quad [イ](3) Area⁡(R)=9.](3)\space{}\operatorname{Area}(R)=9.

3解答

解答を見る途中式つきの解答

[ア](1) a[5]<b<a[6]a[5]<b<a[6] として流れ図をたどる。各行はA点に到達したときの値である。 訪問klhこの後の分岐11116m=8, b≦a[8] より h=82218m=4, b>a[4] より l=53358m=6, b<a[6] より h=64456m=5, b>a[5] より l=65566b≠a[6] なので m=0 として終了\begin{array}{c|ccc|l} \text{訪問}&k&l&h&\text{この後の分岐}\\\hline 1&1&1&16&m=8,\ b\le a[8]\text{ より }h=8\\ 2&2&1&8&m=4,\ b>a[4]\text{ より }l=5\\ 3&3&5&8&m=6,\ b<a[6]\text{ より }h=6\\ 4&4&5&6&m=5,\ b>a[5]\text{ より }l=6\\ 5&5&6&6&b\ne a[6]\text{ なので }m=0\text{ として終了} \end{array}

[ア](2) A点で候補添字の個数を N=h−l+1N=h-l+1 とする。初期値は N=2p, k=1N=2^p,\ k=1 である。N=2q (q≧1)N=2^q\ (q\ge1) のとき、m=(h+l)div⁡2m=(h+l)\operatorname{div}2 で区間を二分すると、どちらの分岐でも候補数は N/2N/2 になる。A点へ戻るたび kk は1増えるので、 h−l+1=2p−(k−1)=2p−k+1,2k−1(h−l+1)=2p.h-l+1=2^{p-(k-1)}=2^{p-k+1},\qquad 2^{k-1}(h-l+1)=2^p. 終了時は h=lh=l だから h−l+1=1h-l+1=1、したがって k=p+1k=p+1 である。

[イ](1) Aを原点とする位置ベクトルを考える。 AB→=a⃗,AC→=a⃗+b⃗,AD→=a⃗+b⃗+c⃗.\overrightarrow{AB}=\vec a,\quad \overrightarrow{AC}=\vec a+\vec b,\quad \overrightarrow{AD}=\vec a+\vec b+\vec c. ED→=a⃗\overrightarrow{ED}=\vec a より AE→=b⃗+c⃗\overrightarrow{AE}=\vec b+\vec c、FE→=b⃗\overrightarrow{FE}=\vec b より AF→=c⃗\overrightarrow{AF}=\vec c。

[イ](2) 三角形ACEとBDFの重心の位置ベクトルは a⃗+2b⃗+c⃗3,2a⃗+b⃗+2c⃗3.\displaystyle \frac{\vec a+2\vec b+\vec c}{3},\qquad \frac{2\vec a+\vec b+2\vec c}{3}. これらが等しいので b⃗=a⃗+c⃗\vec b=\vec a+\vec c。

[イ](3) b⃗=a⃗+c⃗\vec b=\vec a+\vec c とする。Aを原点とすれば B=a⃗, C=2a⃗+c⃗, D=2a⃗+2c⃗, E=a⃗+2c⃗, F=c⃗.B=\vec a,\ C=2\vec a+\vec c,\ D=2\vec a+2\vec c,\ E=\vec a+2\vec c,\ F=\vec c. 内積条件から ∣a⃗∣2=a⃗⋅b⃗−a⃗⋅c⃗=5,∣c⃗∣2=b⃗⋅c⃗−a⃗⋅c⃗=2,a⃗⋅c⃗=−1.|\vec a|^2=\vec a\cdot\vec b-\vec a\cdot\vec c=5,\qquad |\vec c|^2=\vec b\cdot\vec c-\vec a\cdot\vec c=2,\qquad \vec a\cdot\vec c=-1. θ\theta を a⃗,c⃗\vec a,\vec c のなす角、SS をそれらが張る平行四辺形の面積とする。底辺×高さと a⃗⋅c⃗=∣a⃗∣∣c⃗∣cos⁡θ\vec a\cdot\vec c=|\vec a||\vec c|\cos\theta より S=∣a⃗∣∣c⃗∣sin⁡θ,S2=∣a⃗∣2∣c⃗∣2−(a⃗⋅c⃗)2=5⋅2−(−1)2=9,S=3.S=|\vec a||\vec c|\sin\theta,\qquad S^2=|\vec a|^2|\vec c|^2-(\vec a\cdot\vec c)^2=5\cdot2-(-1)^2=9, \quad S=3. 頂点 0,2a⃗,2a⃗+2c⃗,2c⃗0,2\vec a,2\vec a+2\vec c,2\vec c の平行四辺形の面積は 4S4S。B,C,E,Fは各辺の中点なので、六角形は頂点 2a⃗2\vec a と 2c⃗2\vec c の隅の三角形を切り取った形になる。各三角形の面積は S/2S/2 だから、 Area⁡(ABCDEF)=4S−S2−S2=3S=9.\displaystyle \operatorname{Area}(ABCDEF)=4S-\frac S2-\frac S2=3S=9.

[ア]は二分探索の各分岐で候補数が半分になることを追う。[イ]は位置ベクトルと重心から六角形の頂点をa,c基底で表し、内積と底辺×高さで面積を計算する。六角形の基底座標の面積は生成平行四辺形の3倍となる。

この問題で使う考え方

  • 等比数列の一般項と和
  • 位置ベクトル
  • ベクトルの和・差・実数倍
  • ベクトルの内積
  • ベクトルによる図形の考察
  • 三角比と相互関係

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