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千葉大学/2003年度

千葉大学 2003年 数学 第14問解答・解説

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1問題

千葉大学2003年度第14問

- [ア] a を実数とし, z を複素数とする。複素数平面上で, a,z,z2,z3a, z, z^{2}, z^{3} が表す 4 点が, あるひし形の 4 頂点になるとする。ただし, a と z2z^{2} が表す頂点は対角線上にあるとする。このような a と z の値をすべて求めよ。

14 - [イ] 配列 (添え字付き変数) a において, a[1], a[2], ..., a[n] には異なる整数の値が小さい順に入っている。このとき, 次頁の流れ図は値 b が

a[1],a[2],…,a[n]a [ 1 ], a [ 2 ], \dots , a [ n ]

の中に現れるかどうかを判定し, 現れたら b = a[m] となる m を返し, 現われなければ 0 を返すプログラムに対応している。そのプログラムについて以下の問いに答えよ。ただし, (h+l)(h + l) div 2 は h+lh + l を 2 で割った商の整数部分を表している。

流れ図は「始め」からl←1、h←n、k←1を実行し、黒点Aを経てl=hの判定へ矢印で進む。Yesではb=a[l]を判定し、Yesならm←l、Noならm←0を実行して「終り」へ進む。l=hのNoではm←(h+l) div 2を実行し、b≦a[m]を判定して、Yesならh←m、Noならl←m+1を実行する。両経路はk←k+1に合流し、左側を回る矢印でAの手前へ戻る。

(1) n = 16 とし, a[5] < b < a[6] であったとする。このプログラムの実行開始から終了までの, 流れ図中の A 点における k, l, h の値の表を作成せよ。

(2) ある自然数 p に対して n=2pn = 2^{p} と表せるとき, A 点で成立している k, l, h, p の関係式を求め, プログラムが終了したときの k を p を使って表せ。ただし, 証明は述べなくてよい。

14 - [ウ] k を整数とし q を実数とする。A, B の 2 人が次のようなゲームを行う。まず A が 3 枚の硬貨を投げ,表の出た枚数を X とする。X > k なら A の勝ち,X < k なら B の勝ちとする。X = k のときは当たる確率が q のくじを A が引き,当たれば A の勝ち,そうでなければ B の勝ちとする。A, B とも,勝った場合には X + 1 円の賞金がもらえ,負けた場合には何ももらえない(0 円もらう)とする。ここで k および q の値は,A と B のもらう賞金の期待値が等しくなるように定める。

(1) k と q の値を求めよ。

(2) 上のゲームを 2 回行ったとき, B の賞金総額が 3 円であった。 このとき, A の賞金総額も 3 円である条件付き確率を求めよ。

まずは自分で解いてみましょう。詰まったら「考え方」、解けたら「答え」で確かめられます。

2答え

答えを見る自分の答えと照らし合わせる
  • [ア] (a,z)=(1,±i),(0,1±i32)\displaystyle (a,z)=(1,\pm i),\quad\left(0,\frac{1\pm i\sqrt3}{2}\right)。[イ](1) A点での(k,ℓ,h)=(1,1,16),(2,1,8),(3,5,8),(4,5,6),(5,6,6)(k,\ell,h)=(1,1,16),(2,1,8),(3,5,8),(4,5,6),(5,6,6)。 (2) h−ℓ+1=2p−k+1h-\ell+1=2^{p-k+1}、終了時k=p+1k=p+1。[ウ](1) (k,q)=(2,23)\displaystyle (k,q)=(2,\frac23)。 (2) 条件付き確率13\displaystyle \frac13。

3解答

解答を見る途中式つきの解答

[ア] a,z,z2,z3a,z,z^2,z^3 がひし形の頂点で、aa と z2z^2 が対角線の両端なので、対角線の中点一致から a+z2=z+z3,a=z+z3−z2(実数).a+z^2=z+z^3,\qquad a=z+z^3-z^2\quad\text{(実数)}. 対角線ベクトルを d1=z2−ad_1=z^2-a、d2=z3−zd_2=z^3-z とすると、この関係より d1=−z(z−1)2d_1=-z(z-1)^2、d2=z(z−1)(z+1)d_2=z(z-1)(z+1)。四点がひし形なら対角線は垂直であり、退化する z=0,1,−1z=0,1,-1 は除く。よって d1d2=−z−1z+1(実部は0).\displaystyle \frac{d_1}{d_2}=-\frac{z-1}{z+1}\quad\text{(実部は0)}. z=x+iyz=x+iy とすると Re⁡z−1z+1=∣z∣2−1∣z+1∣2\displaystyle \operatorname{Re}\frac{z-1}{z+1}=\frac{|z|^2-1}{|z+1|^2} だから ∣z∣=1|z|=1。そこで z=eiθz=e^{i\theta} とおくと、aa が実数である条件は sin⁡θ+sin⁡3θ−sin⁡2θ=sin⁡2θ(2cos⁡θ−1)=0.\sin\theta+\sin3\theta-\sin2\theta=\sin2\theta(2\cos\theta-1)=0. zz は実数でないので、cos⁡θ=0\cos\theta=0 または cos⁡θ=12\displaystyle \cos\theta=\frac12。前者は z=±iz=\pm i で a=1a=1、後者は z=1±i32\displaystyle z=\frac{1\pm i\sqrt3}{2} で a=0a=0。これらはいずれも四点が相異なり、対角線が垂直な平行四辺形となるため、確かにひし形である。

[イ](1) 流れ図の初期値は (k,l,h)=(1,1,16)(k,l,h)=(1,1,16)。各訪問で m=(h+l)div⁡2m=(h+l)\operatorname{div}2 を計算する。a[5]<b<a[6]a[5]<b<a[6] より、m=8m=8 では b≦a[m]b\le a[m]、m=4m=4 では b>a[m]b>a[m]、m=6m=6 では b≦a[m]b\le a[m]、m=5m=5 では b>a[m]b>a[m]。したがって A 点での表は 到達回12345k12345l11556h168866.\begin{array}{c|ccccc}\text{到達回}&1&2&3&4&5\\k&1&2&3&4&5\\l&1&1&5&5&6\\h&16&8&8&6&6\end{array}. 最後は l=h=6l=h=6 かつ b≠a[6]b\ne a[6] なので m=0m=0 として終了する。

[イ](2) 初期の区間幅は h−l+1=2ph-l+1=2^p であり、各反復で幅が半分になり、A点に戻るたび kk が1増える。よってA点では h−l+1=2p−(k−1)=2p−k+1.h-l+1=2^{p-(k-1)}=2^{p-k+1}. 終了判定に入ると l=hl=h なので幅は1、したがって k=p+1k=p+1。

[ウ](1) XX は二項分布で P(X=0,1,2,3)=(1,3,3,1)/8P(X=0,1,2,3)=(1,3,3,1)/8。各回、勝者の賞金は必ず X+1X+1 だから EA+EB=E(X+1)=52\displaystyle E_A+E_B=E(X+1)=\frac52。期待値が等しいとき EA=54\displaystyle E_A=\frac54。整数 kk が 0,1,2,30,1,2,3 の場合にAの期待賞金を計算すると kEAEA=54 とおいたときの q019+q8−9113+6q8−1224+9q82334q852.\displaystyle \begin{array}{c|c|c}k&E_A&E_A=\frac54\text{ とおいたときの }q\\0&\frac{19+q}{8}&-9\\1&\frac{13+6q}{8}&-\frac12\\2&\frac{4+9q}{8}&\frac23\\3&\frac{4q}{8}&\frac52\end{array}. k≦−1k\le-1 ならAが常に勝ち、k≧4k\ge4 ならBが常に勝つため等しくならない。また qq は確率なので 0≦q≦10\le q\le1。したがって (k,q)=(2,23)\displaystyle (k,q)=(2,\frac23)。

[ウ](2) k=2,q=23\displaystyle k=2,q=\frac23 のとき、1回でBが 0,1,2,30,1,2,3 円を得る確率はそれぞれ 38,18,38,18\displaystyle \frac38,\frac18,\frac38,\frac18。Bの賞金が0円のうちAが3円を得る確率は 14\displaystyle \frac14(X=2X=2 でくじに当たる場合)である。2回独立に行うと P(Btotal=3)=2(3818+1838)=316.\displaystyle P(B_{\rm total}=3)=2\left(\frac38\frac18+\frac18\frac38\right)=\frac3{16}. また Atotal=3A_{\rm total}=3 かつ Btotal=3B_{\rm total}=3 となるのは、一方で (A,B)=(3,0)(A,B)=(3,0)、他方で (A,B)=(0,3)(A,B)=(0,3) となる順序の2通りだけなので P(Atotal=3,Btotal=3)=2⋅14⋅18=116.\displaystyle P(A_{\rm total}=3, B_{\rm total}=3)=2\cdot\frac14\cdot\frac18=\frac1{16}. 従って求める条件付き確率は 1/163/16=13\displaystyle \frac{1/16}{3/16}=\frac13。

この問題で使う考え方

  • 対角線の中点・直交条件と複素数表示
  • 二分探索の流れ図トレースと区間幅の不変量
  • 二項分布による期待値計算
  • 独立試行と条件付き確率

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