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奈良県立医科大学/2015年度/前期

奈良県立医科大学 2015年 数学 第4問解答・解説

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1問題

奈良県立医科大学2015年度第4問

四角形 ABCDABCD がある。その内部の点を PP とし,辺 AB,BC,CD,DAAB,BC,CD,DA またはそれらの延長に垂線 PE,PF,PG,PHPE,PF,PG,PH を下ろす。点 PP の位置によらず, PE+PG=PF+PHPE+PG=PF+PH が成り立つとき,四角形 ABCDABCD はどのような形であるか求めよ。

まずは自分で解いてみましょう。詰まったら「考え方」、解けたら「答え」で確かめられます。

2解答

解答を見る答えはこの解答の中にあります

A_Q4 — MM-4bfc8dc70e4b-Q4

問題 四角形 ABCDABCD の内部の点 PP から、辺 AB,BC,CD,DAAB,BC,CD,DA またはその延長に下ろした垂線の長さをそれぞれ PE,PF,PG,PHPE,PF,PG,PH とする。すべての内部点 PP について PE+PG=PF+PHPE+PG=PF+PH が成り立つときの四角形を求める。

解答・計算過程 辺の直線への距離を d1=PE,d2=PF,d3=PG,d4=PHd_1=PE,d_2=PF,d_3=PG,d_4=PH とする。まず各辺に垂直で内部向きの単位ベクトルをそれぞれ n1,n2,n3,n4\mathbf n_1,\mathbf n_2,\mathbf n_3,\mathbf n_4、点 PP の位置ベクトルを p\mathbf p とする。四角形が凸なら、内部点から各辺の直線までの距離は、内部向きの垂直方向の変化に対して di(p+u)−di(p)=ni⋅ud_i(\mathbf p+\mathbf u)-d_i(\mathbf p)=\mathbf n_i\cdot\mathbf u と変化する(u\mathbf u は十分小さく、移動後も内部にあるものとする)。条件 d1+d3=d2+d4d_1+d_3=d_2+d_4 は内部のすべての点で成り立つので、点を u\mathbf u だけ移した式との差を取ると (n1+n3−n2−n4)⋅u=0(\mathbf n_1+\mathbf n_3-\mathbf n_2-\mathbf n_4)\cdot\mathbf u=0 がすべての十分小さい u\mathbf u について成り立つ。よって n1+n3=n2+n4.\mathbf n_1+\mathbf n_3=\mathbf n_2+\mathbf n_4.

n1,n2,n3,n4\mathbf n_1,\mathbf n_2,\mathbf n_3,\mathbf n_4 はすべて長さ 11 なので、これらを始点をそろえて描いた終点は同一円周上にある。上の等式は、四点をこの順に結んだ四角形で対角線の中点が一致することを表す。したがってその四角形は平行四辺形である。円に内接する平行四辺形は長方形(対角が等しく、円に内接する四角形の対角の和が 180∘180^\circ だから各角が 90∘90^\circ)なので、対角線の端点は円の直径の両端である。従って n1=−n3,n2=−n4.\mathbf n_1=-\mathbf n_3,\qquad \mathbf n_2=-\mathbf n_4. これより AB∥CDAB\parallel CD、BC∥DABC\parallel DA となり、ABCDABCD は平行四辺形である。

この平行四辺形で、ABAB と CDCD の間の距離を h1h_1、BCBC と DADA の間の距離を h2h_2 とする。内部点 PP は各対の平行な直線の間にあるため PE+PG=h1,PF+PH=h2.PE+PG=h_1,\qquad PF+PH=h_2. 与えられた等式から h1=h2h_1=h_2 である。平行四辺形の面積を SS とすれば S=AB⋅h1=BC⋅h2.S=AB\cdot h_1=BC\cdot h_2. 従って h1=h2h_1=h_2 より AB=BCAB=BC。平行四辺形では向かい合う辺もそれぞれ等しいから、四辺はすべて等しい。よって ABCDABCD はひし形である。

逆に、ひし形では向かい合う辺が平行であり、隣り合う辺の長さも等しい。面積を底辺と高さの積で表すと、二組の向かい合う辺の間隔は等しい。したがって任意の内部点 PP に対して PE+PGPE+PG と PF+PHPF+PH はともにその等しい間隔に等しく、条件が成り立つ。垂線の足が辺の延長上にある場合も、直線間の距離の和は同じである。

ゆえに求める形は ひし形(正方形を含む).\boxed{\text{ひし形(正方形を含む)}}.

使用解法・範囲 距離の一次的な変化を内積で表す高校数学Cのベクトル、円に内接する四角形の性質、および底辺と高さによる面積を用いた。

補足 通常の非退化な四角形を考える。もし辺の直線が内部を横切れば、その直線上で対応する距離関数だけが折れ曲がり、他の辺の距離関数は一般の交点近傍で一次式のままであるため、全内部点での等式は保てない。従って条件を満たす場合は各辺の直線に対して内部が一方側にあり、上の凸四角形としての議論が適用できる。

この問題で使う考え方

  • 位置ベクトル
  • ベクトルの内積
  • ベクトルによる図形の考察
  • 円に内接する四角形

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